見出し画像

HECPホーム・エレクトロニクスカフェ-「バウヒュッテ」コンソーシアム・プロジェクト❼

(7)「小工」は「疲弊地区」から生まれる、
「家と地区の再構築」を実現する復興リーダーだ。
そして、今後、群発する災害や紛争に対し、リレーショナルな伝承を果たす。

「復興」とは、インフラ整備や住宅の復権にとどまらず、過去の記憶への欲求を希 望にすることで地域の再生を目指すことに他ならないのです。被災者は自分が生き残った意味を常に自問しながら、「復興」に命をかけている。「復興」を果たした後には間違いなく〝リーダー〟になる人たちであるは間違いありません。

「復興」の主体は被災者です。もちろん、ライフラインやインフラや都市計画のような「大芸術」は、国や自治体などの行政の力によるものだが、「復興」の本質は、被災者が様々な苦難の経験において、その土地の物理的景観、歴史、伝統、芸術、宗教、法律、そして、経済的遺産に起因し、肉体的、精神的な性質を有する「家」と「地区」の再構築にあります。

「小工」の芸術的表象は〝家〟を工芸的側面だけではなく、「住まい=Home」という生活の場として捉え、「家」づくりを「全ての始まり」とします。初発的なものとして日本の各地において「家」と「地区」の表象を展開していき、究極的には世界中の多くの〝無名な人々〟が〝自己学習〟により、自足的に家を構えることを理想とするのです。そして、こうした集落のコミュニティを維持するためには、「家」と「地区」の再構築という積極的な活動を生かして、「高齢者」どうしが支え合う新たな仕組みを構築していく機会とすべきなのです。

また、「復興」における家や地区の再構築において、現役世代にこれ以上の大きな負荷をかけることはできません。地域のコミュニティや原風景を取り戻すのは、高齢者や女性たちが中心になるべきなのです。高齢者が主体となって、長年の経験や智慧を最大限に活用し、「家」と「地区」の原風景の再構築を実現を目指します。その場合、知恵と経験の豊富な「高齢者」がその主役となり、現存する資源やシステムを活用し、地域需に支えられた持続可能な仕事場と伝統的コミュニティを創出するために、会議や図面に頼らない手作りの「復興」を一気に進めていくことができるのです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?