『ロウソク』

僕は暗闇に
一人立っていた

暗い場所
足元も
先も見えないような
暗い闇のなかに

足音が聞こえた
誰が来たかはわからない
どこにいるかもわからない

その人は僕に
そっと小さな
火を灯す

それは熱すぎず
淡く、やさしい灯りだった



灯りに包まれたとき
その人の笑顔が見えた
小さな炎のような
淡くやさしい笑顔だった

僕はうれしかった
温かくなり
涙も流れた



火を灯してくれたあなたの
その気持ちに答えたい
身を削ってでも
あなたの先を照らすよ
あなたを温めるよ

これからもずっと
溶けてなくなるまで
あなたのそばで
火を灯し続けるよ

だってあなたは
僕を闇から救ってくれた

だってあなたが
大好きだから

2007.10.26

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