『薄緑の箱』

部屋の隅
タンスの上
薄緑の小さな箱
なんだか大切な
想い出が入ってる気がした

写真たち
卒業文集
好きな人がいた頃
恋人という肩書きに
一人酔いしれていた僕

恋の始まりも終わりも
あの時初めて知った

彼女の記した
3年間の想い出に
僕の影を探してしまう
「男は新規作成」
見事に当てはまる自分



未練とか
後悔とか
そんなたいしたもんじゃなく
過去の恋から
学ぼうとしてるそれだけ
「やっぱりかわいかった」と
懐かしんでるだけ

付き合い方もわからず
傷つけてしまったよね

彼女の今に
僕の影はなくていい
忘れていてほしい
「女は上書き保存」
彼女もそうだといいんだけど



似た名前の人にも
ちょっと反応しちゃう
男ってホント馬鹿だ
今でも好きとかじゃなく
ただ覚えてるだけ
どんな別れ方をしようと
なんか忘れられない



彼女の歩いた
あの3年間に
僕の居場所はあったかな
幸せを感じてたかな
今も嫌な想い出になってなかったら
それだけでいいんだけど

そして今が幸せで
これからも笑っていられたら
僕も嬉しいんだけど



下手な自分語りはやめて
箱にふたをしよう
次に開けるのは
僕に大切な人ができ
お互いの過去を分け合うときだ

2009.03.06

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