七月二日


飛行機の音がして反射的に見上げた。

雲ひとつない空を飛行機がいささかの迷いも見せず飛んでいく。

海みたいな空。美しいと感じた。上手に言えない。でも、それでいいと思えた。

向日葵が風に揺れている。二週間前には咲いていたかな。気づいていたのに目に留まらなかった自分を少し寂しく感じた。

長い髪が風になびいて視界をさえぎる。
心地の良い風だ。やわらかい。夏のにおいもした。

すずめが二匹、電線に止まってさえずりあっていた。とても仲良しねあなたたち。つがいかな。

忘れないでおこう。特別な日になった。
今年もきっと素敵な夏になる。

世界が今日も美しくて嬉しくなった。倖せだと思った。僕はこれからもずっと倖せだろうなと感じた。倖せに死ねるだろうなと思った。今日だけはそれでいいと思った。


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