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ブレイブルー・ダークウォー プレイフィール

令和3年2月。3年というスマホゲームにしては長い開発期間を経て、ついにパドックから出馬したアプリゲームがある。

そう、ウマ娘である。タイトル発表からゲームリリース前にアニメもぶち上げた超強気な戦略も肝心のゲームそのものが出ないという如何ともし難い状況が続いていた。そんな長く暗いトンネルを抜けてリリースされたウマ娘ちゃんたちはあっという間に席捲し尽くし、今ではタイムラインはウマ一色だ。まさしく雌伏雄飛とはこのことか。長い開発期間という炎上案件化にも耐え抜き、人気ゲームに昇華せしめてみせるのは、やはり大御所Cygamesの面目躍如か。

一方東シナ海の向こう側からは、昨今ぶいぶい言わせてる中国Yosterからブルーアーカイブが上陸。

プリコネを踏襲しながらもそこから更にグレードアップされた戦闘システムと見ていて楽しく快適な演出、1000もの学園が集まるクソデカ学園都市で紡がれる、タイトル通り青をベースカラーとした清涼感のある儚い少女たちの物語……というものでは全然なく蓋を開けてみれば全員倫理観をママのお腹の中に忘れてきたポンコツ美少女たちによる反社会的行動が繰り広げられる「きららのブラックラグーン」という意外性で話題性を掻っ攫っていった。

そんなよりにもよってキラータイトルひしめく2月に、ウマ娘と同じく3年の月日を経てようやく闇の中から生まれ出たゲームがあった。

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生きとったんかワレ!

公式Twitterアカウントが「よくわかるFGO」とすごく近いノリのマンガを元気よく掲載し始めて「あーなんかブレイブルーでもFGOっぽいことやりたいんだなー」となったのも束の間、年単位でだんまりを決め込んだものだから「あー、プロジェクト頓挫しちゃったかー」と思いきや、今年に入ってから黄泉帰ってきたものだからびっくり。その顛末は下の記事にある。

さて、最初にプレイを開始してみた印象だが、「年単位で延期して出したクオリティがこの有様か?」だった。具体的に言うなら「一昔前のDMMのブラウザゲーでありそう」だ。要は画面から伝わる印象が全体的にチープに感じられて仕方ない。あまりにも古臭さが際立って仕方ない。

一応自分はブレイブルーを初代からプレイして、家庭用のストーリーモードもしっかり読み、駒尾真子先生のサイドストーリーのノベライズも買って読んできたことを、ここで断っておく。

サービス開始からコンテンツを出し惜しみしてる

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サービス開始前に発表され一部で話題になっていたアナザー・ダーク・マイも、サービス開始直後には実装されていないことに肩透かしを喰らった。そもそもサービス開始時点で実装されているキャラ数も少ない。

それにしても、アナザー・ダーク・マイ。FGOでいうオルタ的な存在なのかもしれないけどネーミングがあんまりにもあんまり過ぎる。

バトル

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バトルもFGOからそのまんまスライドさせてきた、と思いきや存外FGOそのまんまというわけではない。というよりも、バトルに関してはFGOを順当に洗練化させた結果、システムのみに関して見ればFGOの悪い面から離れたいい塩梅の出来になっている。その気になれば1キャラのみのゴリ押しでも勝てる。それがバトルの深みになっているかは甚だ疑問だが。

高速オートやスキップ機能も完備。ただしオートモードに関しては弱点属性で攻めたり攻めなかったりとかなり頭が悪い。

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この属性相性に関してもあんまりにも複雑すぎて覚えられない。

その上、オーバードライブゲージやヒートゲージの溜まり具合も悪く大技を出すまでもなくバトルが終了してしまう。このあたりのバランスの悪さも非常に目立って仕方ない。

見ずらい、扱いづらいUI・UX

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上がバトル画面なのだが、コマンドアイコンの右横に表示されている小さなアイコンがスキルアイコンとなっている。

小さくない? 

スマホゲームって横向きに持つとだいたい親指で操作すると思うのだけれど、この小さいアイコンを親指でタップしろというのか。

またバトルシーンの際、ヒット演出にホワイトフラッシュを多用しているため、これがとても目に痛い。テストプレイ中にわからなかったのだろうか。

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キャラの強化システムもまんまFGOだが、こちらも操作しづらい。

Twitterからの引用で申し訳ない。「おまかせ強化」をタップすると、最初に希少なアイテムが自動で選択されてしまう。かといってEXP結晶(小)を選択してもいちいちタップを連打しなくてはならない。おまけにこの「+」「−」のアイコンも小さい。

その他、細々とした箇所も不便さを感じて仕方ない。

UIやUXに関してはCygamesなどの大御所では、丁寧に丁寧に練り込まくてはならないという認識の元でかなりの労力を割いているようだが、果たしてBBDW開発元に同じような意識があったかどうか疑問だ。

「FGOっぽいこと」とは

ゲームインストール中や公式生放送でも「圧倒的なテキスト量」と喧伝していたけど、文字数を誇ったって肝心要の面白さがそこに無ければ何ら意味もない。そもそもチェインクロニクルを始祖としてFGOのヒット以降、シナリオを重視したスマホゲームはいくつも現れている。そんな中で、テキスト分量を強みとされても……と思うところはあるし、実際にBBDWのシナリオはあまり引き込まれるものがない。

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危機的状況から物語が始まるいわゆるホットスタートという展開なのだが、これもどこか置いてけぼり感しかない。

「FGOみたいなことをやりたい」というコンセプトにもとでゲームを繕うとした結果、BBDWは肝心の「FGOの持つ面白さとは何か」ということを勘違いしてしまったまま作られた

考えなしに「FGOっぽい要素」を取り入れた結果、あまりにも不親切で古臭く雑で、作り込みも足りておらず、そして独りよがりな劣化版しか出来上がらなかった。

その極めつけは、やはりヒロインであるシエルというキャラクターだ。その造詣があまりにもマシュと被っていて、このゲームの新鮮味のなさと古臭さと雑さ、オリジナリティの欠如を象徴している。少し可愛そうだけど。

前述したようにキャラ数少なすぎるし、初見お断りの雰囲気醸し出してるからそりゃBBのストーリー好きな人しかやらないよね。

ゲームとして成立は一応してるが、このゲームからブレイブルーの世界観を知って格闘ゲームの方も買わせる気にさせるには、かなり難しいんじゃないかと。個人的には楽しみにしていただけに、この有様はあまりにも残念だと思ってる。果たして一周年まで保つのか。大きなテコ入れは入るのか。

ここから大きく改善されて、長く楽しめるゲームに変わってくれることを願っている。

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せっかくEsをツモったので、ちまちまやっていこうとは思う。


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