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音楽家の最高に自然で愛に溢れた障がい者支援

 前稿で、ジャズという音楽の千差万別性と、常に「愛」に満ちたライブについて触れました。
 その「愛」は、こんな形でも現れる!といった衝撃的ともいえるイベントです。
 2024年3月26日(火)川崎市国際交流センターホール
「障がいのある人とない人が一緒にジャズを楽しむ時間」
出演: 西村知恵(VO)、若井優也(P)、BRENT NUSSEY (B)、GENE GACKSON (DS)

 いわゆるアーティストの皆さんの多くがこの種の尊いボランティア活動をされているのは承知しています。しかしそれらの全体像を見たり比較をしたりするのは目的ではありません。例え片鱗であってもその現実の姿に触れて、そしてその尊い活動に刺激を受けて、自分が何をできるのか、それぞれの立場で考えてみるのは常に重要ではないかと思います。

 ジャズって、正直なところ「難しさ」をかなり内包した音楽だと思います。プロとして生きていく以上、その難しさに立ち向かっていく重厚な緊張感も爆発的に発散される、そんな局面での楽しさもあるのですが、ここではそんな難しさは微塵も出しません。大勢で歌いあう目的で選曲されたいくつかの曲。歌詞は手書き!を含め会場で参加者に配られました。
・愛は勝つ
・星に願いを
・What a Wonderful World 
・いのちの歌

 そして、それでも「プロ」です。
 参加者の方々の「歌」を引き出すだけでなく、最上級の演奏を、抑えた形であってもしっかりと披露する。(個人的な思いとしてはこの辺はドラムという最高に爆発力を備えた楽器で難しさを感じます・・)
 そんなコンサートで、さすがです!参加者さんのそれぞれの状態に応じて、踊りだしてくれる!ひと、車いすでも体を動かすひと、皆さんの声に合わせて声を出すひと、それぞれの合体と融合で、会場は極上の温かさに包まれました。-ライブハウスで披露される温かさとは同じ根底のものであっても、随分違った形での披露ですー


 さて、この種の支援の尊さは理解していても、いざ自分では何ができるか? と問いも、結構繰り返してしまう人間の弱さにも向き合ってしまいます。やっぱり難しいことであるのは間違いないので、逆に迷惑をおかけするのは恐れるものだし、自分の中途半端さをイヤになったりもすることもあったような・・
 しかし、そこは、「自分ができることをやる」という鉄則に従えばよいのかとも思います。ジャズの持つ温かさに浸りながらでも。
 機会は、探せばどこにでもあるのだと思います。身近なところにも。




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