バイサイドトレーダー備忘録

トレーディング部長のOさんの業務内容の詳細を伺う機会があったので備忘録としてメモしておく。

トレーダーというとデイトレーダーを想起するということですが、資産運用会社のバイサイドのトレーディングというのは、ファンドマネージャーの売買指示を受けて、最良執行を目指しながら、一日の中で売買を行う業務。

R社はマザーファンドと外国年金基金のようなファンドも扱っているので、コンプライアンスチェックも掛けて、執行していくため個人投資家のようにお気楽な立ち位置ではない。

他の職業の喩えとして、建築士と大工という例示が解りやすく、建築士がファンドマネージャーで大工がバイサイドトレーダーというもの。ファンドの設計と家の設計が同じで作り上げるのは、大工とトレーダーというもの。

日々、顧客からの資金流出入が変動する中で、何をどれくらい売買するかを決めるファンドマネージャーと会社を調査分析するアナリスト、そして市況動向を見極めて最良執行するトレーダー。

そして、VWAP(出来高加重平均)を上回る成績が訴求されるトレーダーのプレッシャー。そのための準備として、市場動向の情報収集としてセルサイドのトレーダーからの情報収集が欠かせない。ただし、必ず、証券会社を通じて東証やPTS、ダークプールから購入しているとのことで、マーケットインパクトに注意を払う事も、個人投資家とは大きな違い。

日足はファンドマネージャーが良く見るもので、トレーダーは5分足と売買の板情報を見ている。そして、ブロック取引も活用している。

ここまで判りやすく解説してくれると、リアリティがあって、感動してしまった。

顧客が資金を引き揚げれば、ファンドマネージャーは売りを資金流入が続けば買う銘柄を考えなければいけない。正に、顧客全体のリテラシーがファンドの方向性を決める事にもなる。これは凄いことだよなあ。だから、積極的に情報を開示し、顧客を啓蒙してくれている。飼いならされているともいうが。。。

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