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22秋_明治神宮野球大会への道

9/25、東農大オホーツクが函館大に勝利して優勝を決める。道都の対戦相手、そして、決戦の地が網走と決まる。ということで、明治神宮野球大会までの道のりを記録。

◇2015年以来の対戦

道都が神宮まで駒を進めた17年は函館大との代決(道都2勝)となっており、東農大オホーツクとの対戦は15年まで遡る。実に7年ぶりとなる両雄の対戦。このときは道都が2勝(6-5、3-1)。敢闘賞には井口和朋の名前も。

2021年4月18日OP戦が予定されていたことを確認したが、確か雨で流れたかと。OP戦が流れたのはこの時と、さらにもう一回くらい、あったようにも記憶しているのだが・・・。また、共に参戦しているタンチョウリーグでも対戦がない。というくらい、希少かつ待望されている対戦である。

◇網走での一戦を揣摩臆測してみる

出会うことのなかった両雄の対戦。勝敗を分けることになるかもしれないポイントを事前にメモ。

・今年も、か。今年こそ、か。

東農大は21年春全日本、22秋神宮と二季連続全国へ駒を進めている。昨年の代表決定戦で最優秀選手賞の伊藤茉央と優秀選手賞の金子隼人と投打の軸がチームの中心に残っているのが東農大。「今年も」と意気込みホーム網走で道都大を迎え撃つ。

一方の道都大、全国大会経験者は1年(19年)春に全日本大学野球選手権大会を経験した三浦響、松下壮悟、池田英人。しかし、代表決定戦は18年秋以来となり、このときを知る現役メンバーはいない。気づけば長く全国の舞台から遠ざかっている。「今年こそ」と決意を固めて網走へ乗り込む筈でだ。

代表決定戦、そして、全国大会を知る東農大の経験と、現役メンバーで初めて代表決定戦に挑む道都の一発に賭ける気持ちがぶつかり合う熱戦を期待。

・工藤ジョエルと菊地大翔

互いの好投手が投げ合う展開を予想した場合、まず容易に想像できるのが、連打が期待しづらいということ。そういった息詰まる流れの中で、自分達らしさを出し、相手のペースを乱す・良さを消す、という地味で地道なやり合いが繰り広げられることになる。犠打、そして、盗塁、走塁から攻撃の糸口を探りあう展開。鍵を握るのは、両チームの先頭打者、工藤ジョエルと菊地大翔。どちらがより躍動するかで、試合の主導権争いが見えてきそうだ。

逆に言うと、この快速ランナーを躍動させない為に、どのような策を講じるか、ということの知恵と技量比べが試合の行方を占うことにもなるということ。道都視点から見るなら、投手と三浦響を中心とした守備陣が工藤ジョエルの走力を封じることができるか、ここがポイントになるかもしれない。

・泥沼流合戦

東農大と道都大は互いに似た点もあるように感じている。なんというか、ゴツゴツとした泥臭い試合運びをするようなあたりが。泥沼流合戦である。互いの「当たり前、いつも通り」を試合の頭からお尻まで集中力を切らさず続けることができるか。我慢比べの中で根を上げることなく、ひとつひとつのプレーを地道に積み重ねた方がじわりと勝利に近づいていくのではないか。

道都としては敵地ともいえる網走呼人球場のグラウンドコンディションを出来るだけ早くスキャンして、試合の早い段階で対応していきたい。「当たり前、いつも通り」の流れに乗る為にも、しっかりと守ることが重要になることは言うまでもない。

その中で遊撃手堀越の守備は道都が適地で自らのリズムを刻み始める為の最重要要素のひとつであると思う。まず守備から流れを作れるか。

◇1日目、10月14日

1回表、道都大

4番岡崎のスクイズで先制。
ロースコア決着を想定しての作戦かと。
消極策と評価すべきかは判断が分かれそう。
この一戦の持つ重み故の選択肢であることは確かかと。

1回裏、東農大

4番金子犠飛で同点。
1回は互いに注目の1番打者起点、で、共に4番打者による得点。よく似た得点までの経過を辿った。

3回裏、東農大

上原左二塁打、彦坂の犠打を処理した伊東が一塁へ悪送球で2-1と東農大が逆転。さらに清水が安打で繋ぎ、西野の犠飛で3-1。伊東の悪送球を初めて見たと思う。これも代決の重圧か。

3回表から5回表まで道都は無安打。

5回裏、東農大

2四球、1死球で一死満塁の好機。が、西野、吉井が倒れて追加点ならず。ここは道都伊東が踏み留まる。

6回表、道都大

5回裏ピンチ脱出からの流れか。松下適時打、さらに代打山中が東農大・二番手伊藤茉央から適時打を放ち逆転、4-3。

道都、結果的には逆転に成功したのだが、犠打ですっきりと進塁をさせられない場面を経由しての逆転。完全に流れを呼び寄せる格好にはならなかったか。

7回表、道都大

一死後、大和、三浦が連打。4番岡崎強攻するが遊併殺打。

7回裏、東農大

2番からの好打順。上原が中前にしぶとく運んで出塁。が、3番彦坂が犠打失敗。続く、金子、清水も倒れて、追撃ならず。7回は互いに好機を潰すようなイニングになった。

7回の展開を見ると、流れはまだどちらにあるのかわからないように感じた。

8回表、道都大

松下安打で無死の走者。が、後続倒れて追加点ならず。

8回裏、東農大

三者連続三振。道都大・伊東の変化球に翻弄される。この三振アウト3つが9回裏にじわりと作用したのだろうか。

9回表、道都大

三振凡退で攻撃終了、
スリーアウト目が空振三振。

9回裏、東農

一死後、工藤が四球で出塁。上原1-2から右前安打。道都バッテリーは打者を追い込んだ後の仕上げのところから何度かやられていたが、ここも同じようになった。決して投げ急いだ訳ではないと思うが。

上原は3安打、1犠打、1四球。すべての得点に絡む働き。明日もポイントになる一人かと。

続く彦坂が同点適時打。そして最後は4番金子が右前へ決勝打。土壇場で道都大を追い越して5-4で初戦を飾った。

・2日目への展望

・東農大の代決男・金子が健在
・かつ東農大は打線全体がよく振れている
・道都大・滝田とのマッチアップ
・道都大打線の鍵はやはり岡崎

◇2日目、10月15日

◇1回表、東農大

工藤遊ゴロ、上原四球、彦坂ニゴロ、金子四球、清水左飛。

道都大・先発の佐藤、上原と金子に四球を与える。キーマン上原と代決男金を警戒する故の四球であったか(いずれも3-2からの四球)。

◇1回裏、道都大 

二死から三浦が四球を選ぶも無得点。こちらも3-2まで粘った後の四球。

◇2回裏、道都大

堀越一塁へのライナー、一塁手の金子が弾くも二塁手彦坂がカバー、自らベースに滑り込んで事なきを得る。1回に続き好守備が光るキャプテン彦坂。

◇3回表、東農大

二死後に上原を迎えた道都大バッテリー。ここは上原を一飛球で退ける。昨日の試合を含めてようやく上原に仕事をさせることなくアウトに仕留めた。

◇3回裏、道都大

投手佐藤の安打を起点に道都が1点を先制。犠打、進塁打と着実に佐藤を先の塁に進めて、キャプテン三浦の右前適時打で佐藤を迎え入れた。

池田の二ゴロを彦坂が1回、2回に続き、好守備で捌く。適時打放った三浦と共に両キャプテンの躍動が印象に残る序盤の攻防。

◇4回表、東農大

その彦坂が先頭打者。彦坂は粘った末に空振三振。道都大・佐藤、この彦坂との対戦に神経をすり減らしたか、二死球に清水に四球を与えるが、友寄は左飛に打ち取り、得点与えず。

◇5回裏、道都大

キャプテン対決にひとまずの蹴りをつけるような格好で道都大に追加点が入る。二死から打席に入ったキャプテン・三浦が3-2から四球を選ぶ。岡崎三ゴロが失策誘って一、三塁と好機が広がり、松下が遊撃後方へ泥臭く運ぶ適時打を放ち、三浦が生還。道都大が2-0とリードを広げる。

二死からキャプテン対決中の三浦が粘った末に四球で出塁。そして副キャプテン松下がぐっしゃぐしゃの当たりでタイムリー。二死からの得点がキャプテン対決とも絡まって道都に入る。流れは道都にやや傾いたか。

◇6回表、東農大

工藤四球、上原犠打、彦坂ニゴロ、金子三邪飛。

東農大、イニングの先頭打者がこの試合初めて出塁。犠打、進塁打で二死ながら走者を三塁に進める。1回裏の道都先制点とも似た流れ。打順、代決男金子を迎えたが、ここは佐藤の勝ち。三邪飛に仕留めて得点を与えない。

金子へ一球投じた後、佐藤が給水。足が攣っていたのかもしれない。佐藤はこの回を投げ切って降板。4四球を与えたものの、被安打0。見事な投球を見せた。

◇7回裏、道都大
二死球に岡崎が左中間へ本塁打。道都大のリードが3点に。

◇8回表、東農大

8番高橋が道都大・二番手の印南から左前安打。これがチーム初安打。林への代打・杉田が右前安打でつないで無死一、三塁。東農大に6回に続く好機が到来。打順1番に戻って工藤。ここで道都大二宮監督がマウンドへ。

工藤、初球を打って二飛。さらに上原も遊飛。何も変わらず、何も起きず、ただアウトカウントだけが増えた。

インコースに投げ切って上原を遊飛に仕留めた球が印南の本日のベストボールかと。

続く彦坂を迎えたところで、道都大は印南から滝田にスイッチ。投手陣4本柱の内、伊東を除く全員をこの試合に注ぎ込む。

彦坂は中飛。道都大が無死一、三塁の大ピンチをしのぐ。

◇8回裏、道都大

東農大は二番手笠間。6番福島、7番大和、8番堀越と三者凡退。ひとり出れば、打者滝田を見られる可能性があったが、今日は未遂に終わる(ネクストには入った)。

◇9回表、東農大

金子2-2から遊飛、清水は1-0から中飛、最後は友寄が左飛。滝田は交代後、フライアウト4個で抑え役を全う。最終回も苦手な左を迎えることもあり、心配していたが、今日はスイスイと打ち取っていった。

◇道都大3-0東農大

二戦目は道都大が勝利。決着は明日の最終戦に持ち込まれることになった。

◇3日目、10月16日

1回表

菊地、空振三振
池田、空振三振
三浦、中安打
岡崎、空振三振

1回裏

工藤、左安打
上原、犠打
彦坂、投ゴ
金子、中飛

2回表

松下、空振三振
福島、三ゴ
大和、二飛

2回裏

清水、中飛
友寄、中安打
吉井、右安打
高橋、二併殺

友寄が3戦目で初安打、2戦目スタメン落ちの吉井もしぶとく右翼線に落とす。東農大にいい流れが。が、高橋併殺打で滝田ピンチ脱出。しかし、後々、友寄がこの一戦の攻守でのキーマンとなる伏線となる場面にもなる。

3回表

堀越、空振三振
滝田、投ゴロ、が、滝田は全力疾走。
菊地、空振三振

3回裏

伊藤、見逃三振
工藤、二ゴロ
上原、遊飛

4回表

池田、空振三振
三浦、三邪飛
岡崎、四球
松下、空振三振

4回裏

彦坂、二塁右への内野安打
金子、遊併殺
清水、一邪飛

5回表

福島、空振三振
大和、右飛
堀越、見逃三振

5回裏

友寄、中飛
吉井、右飛
高橋、空振三

滝田一希、少しだけアクセルを踏み込んだか。加えて序盤にあまり使っていなかったチェンジアップが機能し始めた。一方の伊藤茉央も快調そのもの、痺れる投手戦。

6回表

滝田、空振三振
菊地、投安打
池田、右中間適時二塁打、道都大が先制
三浦、中安打、池田本塁憤死
岡崎、空振三振

菊地大翔、バットを砕かれたゴロが三塁線際へ僅かに転がる。これが切れずに内野安打。続く池田が右中間に弾き返す適時二塁打。ここまでの2打席、4三振に封じられていた1番、2番の二人で道都大が先制。さらに三浦がセンター前へ池田本塁突入もここは東農大友寄懸命の返球で生還を阻止。道都大は1点止まり。

6回裏

伊藤、空振三振
工藤、二塁右への内野安打
上原の打席で、工藤が挟殺死。
上原、死球
彦坂、一ゴ

先制許した直後の東農大、道都大と同じ打順で一死から1番の工藤が出塁。同点機を迎えるが、牽制球に戻れず、挟殺死。東農大好機を逸する。

7回表

松下、空振三振
福島、一邪飛
大和、ニゴ

7回裏

道都大は二番手で佐藤爽を投入

金子、投ゴロ
清水、空振三振
友寄、遊飛

8回表

堀越、左飛
田中、ニゴ
菊地、右飛

8回裏

吉井への代打
木下、四球(代走、西野)
高橋、三振(犠打失敗)
伊藤への代打
江川、左飛

三浦がマウンドへ

工藤、右中間への適時二塁打
東農大が1-1の同点に追い付く

上原、中飛

9回表

東農大の二番手は林虹太

池田、遊ゴ
三浦、左安打
岡崎、捕邪飛
松下、見逃三振

9回裏

彦坂、左飛
金子、見逃三振

二死後、道都大は
佐藤爽から伊東佳希へ継投。

清水、空振三振

道都大1-1東農大、延長戦へ

10回表

伊東、遊ゴ
大和、投失で出塁
堀越、犠打
田中、遊ゴ

10回裏

友寄、右二塁打
中谷、犠打

一死三塁

高橋、三失で友寄が生還、
東農大がサヨナラ勝利。

◇PLAYBACK2021代表決定戦

1日目:10月15日(金)東農大2-0東海大(延長10回)

東農大オホーツクが延長戦の末、東海大札幌キャンパスに2対0で勝利。東農大は5回と9回を除き、東海大は3回と9回を除いて、走者を出し合う展開も互いに得点に至らず、試合は延長戦へ突入する。10回表の東農大は6回からマウンドへ上がっていた伊藤茉央が先頭打者としてそのまま打席へ向かうと左前安打で出塁する。その後、二死二塁となったところで、東海大は3番古間木を申告敬遠で歩かせて、4番金子との勝負を選択。ここで金子が左前適時打を放って均衡を破る。さらに5番守屋秀明の左前安打を挟んで、6番江川の内野安打で1点を追加。2対0とリードを奪う。その裏を伊藤茉央が締めて東農大が初戦を獲った。

2日目:10月16日(土)東海大4-3東農大(延長14回)

先制したのは東農大。3回に古間木、金子の適時打などで3点を先制。東海大は1回、2回、5回、6回と先頭打者が出塁するもいずれも無得点で終わっていたが、7回一死後、国武、相馬が連続安打。ここで中野が3点本塁打を中越に放ち同点に追い付く。その後、共に決め手を欠く展開が続いていたが、東海大は14回二死からの三連打、最後は浦田の適時打で勝ち越しに成功。昨日からの連投となっていた三番手の加賀谷がその裏の攻撃を3人で退けて逆転勝利。この結果、対戦成績を1勝1敗となり、神宮行きの切符は明日3戦目の勝者が手にすることに。

3日目:10月17日(日)東農大3-0東海大

第3戦東農大が3-0で東海大に勝利、神宮行きを決めた。東農大は1回表東海大守りの乱れに乗じて無安打で1点を先制、その後、3回に金子適時打、さらに7回にも1点を加える。東海大は伊藤茉央の前に散発の5安打。加賀谷、工藤、正岡と繋ぎ、反撃待つも、得点機を東農大に守り切られた。

◇星槎道都大学:リーグ戦10試合戦績


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