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黄金色に輝き始め

民家の生垣辺りで自転車を漕いでいると、耳障りな羽音を立てて胸元にぶつかってくるアブ。あぁ鬱陶しい。

蝉の声がクマゼミ、アブラゼミからツクツクボウシへと代わり、しかしながら依然残暑は厳しく秋の気配は全く感じられることなく、秋分の日を過ぎても猛暑が続く程の長い夏を何年も繰り返している。

殺意さえを感じる暑さに夏の風情はどこかへ行ってしまった。その後に来る やたらと短くなってしまった秋も、秋らしい風情を感じる間もなく、気付いたときにはクリスマスになっている。

日本の四季は一体何処へ行ってしまったのかね。

文句ばかり言っていても夏の風情は来そうにないのでなにか良いものないかなと視線を少しばかりずらしてみたら田圃の稲がよく実っているじゃないの。猛暑の中でも田圃を吹き抜ける熱気は稲穂に冷やされ、畦道で自転車を漕いでいると風が心地良い。

豊川用水の下流に当たる地域ではGW前から田植えが始まることで、8月半ば頭を垂れ始めた稲穂は山吹色に色づき、今週、杉山町辺りでも稲刈りが始まっていた。今時分は日一日と田んぼの様子は変わっていく。青く頭を垂れ始めた稲穂もあればすでに黄金色に輝く稲穂は刈られるのを待つのみ。それぞれ一枚一枚田んぼの彩りが賑やかになる時期で眺めていると(クソ暑いけどが)風情を感じることのできる景観である。


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