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アテローム摘出

いきなり気持ちの悪い画像で申し訳ない。

鼠径ヘルニアの手術を受けた20日後、背中にできたアテロームの摘出手術を受けた。この歳になって前から後ろから、ずれた骨にネジを締められたり臍に穴を開けられたり背中に切れ目を入れられたり、もう踏んだり蹴ったりでまるで人生の「お楽しみコース」を巡っているようである。
アテロームというのは、粉瘤(ふんりゅう)とも言い、ネット検索で調べると、皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)や皮膚の脂(皮脂)が、袋の中にたまってしまってできた腫瘍(嚢腫)の総称。 と書かれていた。腫瘍というと癌のイメージがあるが、悪性のものではなく、ただのできものであり、しかしちょっと厄介物でもある。放っておいても薬を飲んでも治るものではなく、切って取るしかないものであり、2年前の腰椎すべり症や鼠径ヘルニアと同じで外科のお世話になる以外に治す方法はない。こういうのを果たして病気といっていいのかどうか、怪我でもないし、故障というかなんと言うのが正しいのだろう。
午後一時過ぎ手術室に案内され、手術台にうつ伏せになり、局所麻酔の注射をチクッと打たれ、その後の1時間、針でイーーーッと刺されたような痛みに悶絶するのである。
執刀の先生と助手の研修医の先生の話し声が聞こえる。嚢腫を覆っている被膜が予想していたより大きいらしい。この被膜をしっかりと除去しないと再発するので痛いけどもう少し我慢してほしい。と言われ、また私の手を擦って励ます看護師さんが可愛かったのでそれを糧に悶絶しながらも頑張ったのだ。その間、直接見ることのできない背中の現状が、チョキチョキ鋏で切る音がするごとにチクチク刺されたような激しい痛みに変な妄想が広がり、その恐怖にさいなまれ続ける。
「被膜は取り終えました。石塚さんももう限界でしょ。」
 1時間かけてようやく手術が終わり「今から縫いますね」チクリチクリ。やたらと長い1時間だった。手術は終わったが、背中に針を刺されたような痛みが残ったままの帰宅である。帰りの運転もシートに背中を当てられず。
午後3時過ぎに帰宅した直後、痛み止めの薬を飲んだが針で刺されたような痛みが和らぐことはなかった。
翌日仕事ということもあり、早めに布団に入ったが仰向けにはなれず、結局あまり眠れなかった。まあとにかく決して大袈裟ではなく生きていて一番痛い思いをした。
鼠経ヘルニアの時は臍に開けられた穴が塞がるのに10日以上かかったが、今回も背中に7センチ程メスを入れられナイロン糸に縫われ一週間後に抜糸されたが、2月11日現在、いまだに切り口は完全に塞がらず、一部から血が滲み出しているため湯船に入れず遠慮がちにシャワーを浴びなければならない状況が続いている。


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