見出し画像

いろいろ転がり落ちていく世の中

上田吉次郎の物まねがバカ受けして有頂天になっているところで目が覚めた。

一昨年、体重が80㎏を超えていたのが去年の9月以来73㎏を維持している。リハビリを兼ねて自転車散歩やウォーキング(ただの散歩)で体を動かすことで体重を維持できている。BMIも適正体重だそうだ。
去年の今頃はまだコルセットをした状態での散歩で、人目には付きたくないという思いがあって、夜明け前の5時に家を出て夏の星座“さそり座”を眺めながら真っ暗な道を歩き出し1~2時間の、散歩というよりリハビリをするというものだったが、今ではコルセットも取れ朝陽輝く8時ころから1~2時間の散歩である。ちなみに午後になってしまうと強い風が吹き出すので午後はしない。

初夏のある日、県道503から知原尾根道に入り上り坂を歩いていくと、長仙寺裏の林からいきなり大きな野ウサギが飛び出てきて、目が合ってしまった。突然飛び出してきた野ウサギがこんなに大きなものなのかと驚いたが、ウサギもまさか人がいるとは思わなかっただろう。一瞬静止するも大きく飛び跳ねながら踵を返し、下草生い茂る林の中へ逃げ込んでいったが下草に足を取られたのかもんどりうってバサバサと崖を転がり落ちていった。
尾根道の東端には友人の畑がある。畑の北側は崖になって雑木林が生い茂っている。林の中から昼間でも時々フクロウの声が聞こえてきたりする。ある日、林を背にこの畑のスケッチをしているとカサコソと下草を踏む音がしたので振り向くと、そこにはコジュケイがキョトンとした目でこちらを見るや大慌てで林に逃げ込んだが、下草に躓いたのかもんどりを打って崖を転がり落ちていくということもあった。また夏のある日、尾根道から左にキャベツ畑、右に崖という道を自転車で下っていると、のこのことモグラが道を横切ろうとし、たまたま自転車の前輪にモグラの鼻先をかすめたらしく、これまた大慌てで一目散に逃げようとするももんどりを打って下草の崖を転がり落ちていく。なんてこともあった。知原尾根道辺りの崖では私たちの知らないあいだにいろんな動物たちが崖を転がり落ちているのだろう。
私はと言えば崖こそ転がり落ちたことはないが、モグラと同じ一寸先は闇で人生に於いていろいろなところで転がり落ちている。気持ちが解らないでもない。

68歳と一か月が過ぎ、母の享年を超えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?