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盤面制限と思い出とインフレと

 デュエプレでも24弾でついに《超戦龍覇 モルトNEXT》が実装され、その人気ゆえ新規勢や復帰勢がゾロゾロとデュエマシティにやってきた。

バケモン人気。

 これは元々デュエプレをやっていた身からしても喜ばしいことであり、Xを眺めていても、イージス不要論や環境デッキの有利不利の議論などが熱く交わされ、デュエプレの歴史の中でもかなり盛り上がっているように見える。

 しかし、ここ数日で多く見受けられたのは、そのような環境のアンサーを求める議論ではなく、盤面制限についてだった。

 これを読んでくれている方には不要なおさらいかもしれないが、デュエプレには「盤面制限」があり、クリーチャー、クロスギア、ドラグハートは合わせて7枚までしかバトルゾーンに出せない。

 紙のデュエマ(TCG版)では当然盤面制限などないが、DCGとなると画面でのプレイになることやシステムの都合上、無制限というのは難しいと思われ、実際にデュエプレにも盤面制限は設けられた。

 私がデュエプレを始めたとき(8弾環境)、ゴッドリンクしたゴッドが1枠にまとまるなど、盤面制限があることを前提としたカードデザインのおかげで、紙の環境ではあまり使われなかったゴッドというテーマが環境で輝くことができていたことが嬉しく、とても感心した。

 紙では《竜極神ゲキ》と《竜極神メツ》はどちらも殿堂カードではなかったが、デュエプレの《竜極神》は殿堂にまで上り詰めるほどの活躍ぶりである。

 このように、盤面制限があるなりに仕様変更やアッパーを施すことで、盤面制限によって弱体化するカードが出ないよう調整されてきた。

 しかしカードゲームというもの、当然インフレはしていくもので、盤面を並べて過剰打点を作るデッキの並べる盤面の数も増えていった。

 特に印象深いのは、《ボルメテウス・剣誠・ドラゴン》だ。

第10弾EX環境のトップメタクラスのカード。

 剣誠をGゼロで出すと、最低でも盤面が6枚となり、更に打点を増やそうと上限まで出し、1体除去されて攻撃を止められ6枚、返しで殴られた時に《パーフィン》がトリガーしまたパンク、《パーフィン》の能力でクロスギアを1枚戻して6枚と、もうかなりギリギリのギリである。

赤青サムライのトリガー枠。既に懐かしい。

 剣誠のデッキは絶妙な調整のおかげもあってトップメタに輝くことができたが、これももう14弾ほど前、大昔の話である。

 この時でギリギリなのであれば、遠くない未来に盤面が足りないために環境で輝けない=環境ではなくゲームシステムのせいで紙と比べて弱体化してしまうカードが出てくるのは想像に難くなかった。

 そして近頃、実際に「盤面制限無かったらもっと強いのに!」というデッキが徐々に増え、大人気カードである《超戦龍覇 モルトNEXT》の実装とともにユーザーが増えたことでこの不満は爆発してしまった。

 24弾では、《赤緑モルトNEXT》や《黒単ヘルボロフ》といった「盤面制限が無かったらもっと強いデッキ」が多数出てきてしまった訳だ。

 しかし、共に「盤面制限やめてデッキ」であり人気どころの《赤緑モルトNEXT》と《黒単ヘルボロフ》だが、この2デッキには大きな違いがあると思っている。

 モルネクは、盤面制限がないTCGではバトライ閣からありえない数のドラゴンが湧いてくるのは勿論、デッキ内のドラゴンをほぼ全て出せるループまで開発されてしまい、モルネクとバトライ閣は同じデッキに入れることができない「プレミアム殿堂コンビ」に指定され、現在ではバトライ刃/閣/武神自体が単品でプレミアム殿堂となっている。 

 いくら人気だからってそんなバケモノカードがそのままデュエプレに実装される訳はないと思われたが、モルネクもバトライも、能力自体はほぼ変わらなかった。(強いて言うならバトライ閣の龍解が強制になったぐらい?)

 これは他でもない盤面制限が紙時代の強すぎる展開力を「抑制」した形であり、その状態でも現環境でのモルネクはデッキ単位で強力だ。

 しかしボロフはどうだろうか。

 黒単ヘルボロフは紙時代、モルネクより強いとまで言われ、結果的にウェルカムヘルは殿堂入りとなった。

 当然人気も高かったデッキだったが、デュエプレでは盤面制限がウェルカムヘルの龍解を妨げる形となり、ヘルボロフ/ウェルカムヘルは24弾のビクトリーカードの中ではハズレ扱いになってしまった。

 これは紙に存在しなかった《龍覇 ワルボロフ》の存在も関係はしているが、ウェルカムヘルの強さとしては天から地へ堕ちてしまったと言える。
(ゴー・トゥ・ヘルだけに)

 つまり何が言いたいかと言うと、「原作とも言えるTCG版デュエル・マスターズで人気だったカードが、環境ではなく盤面制限というゲームシステムのせいで大幅に弱体化されてしまうことはTCG勢からしてもあまりに残酷ではないか?」ということである。

 そして今後もインフレを重ねていく上で、7体という制限は現実的ではない。

 システム面での難しさを理解していない以上、手放しに盤面を無制限にしろとは言えないが、1枚2枚変わるだけでも今とは見違えるカードも多いと思う。

 盤面制限と似ているものとして探索がある。

 探索はTCGにはないものであり、インフレに応じて超探索となり、しまいには撤廃された。

 できることならば、探索のように"環境に応じて"ゲームシステムを改善してほしいと切に願う。

………


 これは大量展開デッキを愛した私や他のデュプレユーザー、そしてヘルボロフからの願いです。  

 デュエプレ運営さん、難しいことかと察しますが、是非お願いします。

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