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明日の風に乗って(2)

 彼は、霧が立ち込める小道を歩き始める。足元は霧に覆われていて、先が見えない。しかし、アキオの心は不安よりも、好奇心で満たされていた。彼はこの旅が自分にとっての大冒険になることを知っていた。未知の世界を探索することに胸を躍らせていた。朝の光が少しずつ霧を晴らし、新しい世界が、アキオの前に広がりだした。彼の一歩一歩は、これまでの生活とは異なる、新たなエピソードへと踏み出しているのだった。

 彼が山の麓にたどり着いた時には、霧は少し晴れていて、山頂への小道が見え始めていた。その道は険しく、途中で何度も諦めようと思ったが、頂上に見える光は、以前にも増して強く輝いているように見えた。それがアキオに活力を与えた。 朝早くからの旅で足取りは重くなる。彼の目は霧に煙る未知の道を捉えていた。彼の名はアキオ。アキオには、この山を登るという使命があった。時間が経つにつれ、霧は徐々に晴れ始め、瞬間、彼の前に小道が現れた。この小道は山頂へと続く道だろうと感覚的に理解した。 道は狭く、曲がりくねっていた。所々には石がゴロゴロとしている。足元は不安定、一歩一歩が試練のようだった。アキオは息を切らしながらも、一歩ずつ前に進む。森の木々は高く聳え立ち、時折、小鳥の鳴き声が聞こえてくる。風は冷たく、彼の汗ばんだ顔を時折り撫でる。

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