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拝啓

拝啓 好きだった貴方へ


朝起きると君はそこに居た
朝の日差しを浴びながらベランダで煙草を吸う
煙草と海の匂い
子どもの頃だから顔は鮮明に覚えていない
ただ、心の奥を見透かすような瞳が酷く好きだった

初夏 
海に行って一緒に貝殻を見つけた
夏祭りで簪を付けてた姿
リンゴ飴を一緒に食べた
ある日、初めて泣いた姿を見たんだ
すべてが美しくて楽しくて儚くて そして寂しかった
ひと夏の思い出

駄菓子でアイスの棒を当てたとき
はしゃいだ僕を見て静かに笑ってた君
夏休みが終わったと同時に居なくなって
夕日に映った水面を見ながら、心に穴が出来たようで孤独を感じた
どうか
どうか
元気でいて欲しい
敬具





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