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1on1対話の質を深める:ロープレワークショップからの学び

こんにちは!
サービス&デザインアシスト部のマネージャーです。

今回は、1on1実施者を対象に開催したロープレワークショップをレポートします!

1on1の状況

私たちの部では、昨年から本格的に1on1を取り入れています。
月2回、定期的に実施することを目指して、皆、仕事の忙しい合間をぬって、実施しているのですが、回を重ねるごとに「うーん、1on1がうまくやれていないような・・・」という意見がちらほら。具体的な悩みとしては、

  • 相手の考えを深められていない気がする

  • 効果的な質問の仕方ができていない気がする

  • 「特に話すことがない」と言われた時の悲しみ・・・

  • ただの雑談で終わってる感

というもの。
効果的な会話の進め方は、みんなで練習したり他の人の会話を参考にしたりするのがよいのではないか?ということで、社内でロープレワークショップを企画しました。

ロープレのプログラム構成

ロープレ1

書籍「1 on 1ミーティング 「対話の質」が組織の強さを決める」(本間浩輔 (著), 吉澤幸太 (著) ダイヤモンド社)から引用した会話を、それぞれの役の人が読み上げる形式。ここでの目標は、どんな会話の展開が理想的なのかを肌で感じることです。(書籍の中には良い対話例、悪い対話例どちらも載っていますが、今回は良い対話例の方を使用。)

ロープレ2

ロープレ2では、リアルな1on1の場を再現します。
架空のキャラクター、プロジェクトリーダーの鈴川さんとメンバーの佐竹さんを登場させ、お客様との定例会議で見えてきた課題を1on1で解決するシチュエーションを設定。「どのような問いの出し方が効果的か」「答えやすいか」ということを体感してみます。

ロープレ講座、スタート!

ロープレ1

あらかじめ配役を決めて、役者になった気分で読み始めます。
「8秒沈黙」とあったりしても、なかなか臨場感たっぷりに・・・とはいきませんが、掛け合い(ただの音読かも?)をしてみました。
実際やってみて、次のような意見が出ました。

良い点:

  • やることを自分の口から定義させることができている

  • 最初の問いかけで、相手に主導権を渡している

  • 相手からのアウトプットを引き出す形になっている

  • シンプルなオウム返しでは、否定も肯定もしないところがポイント

  • 「理想の〇〇」や「情景をおしえてください」など掘り下げる場合に使えそうなフレーズ

  • 「どうしたいですか?」本人に考えさせるための問いかけができている

  • 最終的には、次の具体的なアクションを決めて終わるところがgood point

一方で・・・:

  • 吉澤さん(本の中の登場人物)は、深く考える能力がある人。自分のチームでは、質問が大雑把すぎると、「何もない」という答えが返ってくる。

  • このスクリプトは、「できる人」の1on1かもしれない。

  • 日頃の業務で、個人視点での振り返りを行えていないと、1on1での発展的な会話につながらないのでは。

  • 課題感をもっているメンバーでも、「どう改善していくかべきか」という答えを持ち合わせていないメンバーもいるため、メンバーのレベルによって、ガイド(答えを伝える)が必要な場面もありそう。

ロープレ2

ロープレ2はあとから会話を見返せるよう、レコーディング機能を活用し、全ての会話をテキスト化します。
鈴川さん役と佐竹さん役の人には、それぞれ異なるシナリオを渡してあります。
それぞれの役の人は、事前にシナリオを読んでいますが、相手がどのように会話を進めるかは、当然知りませんので、演劇の練習のエチュードのような感じですね。実際にやってみると、なかなかに臨場感あふれるリアルな1on1になりました。
終了後、次のような反省点が浮かび上がりました。

  •  相手の考えを引き出そうという感じは受けた

  • 相手の気持ちに寄り添うところも見受けられた

  • 想定するゴールに誘導している感じになってしまう部分があった。対象者側から意見が出てくるような問いかけが必要だったかも。

  • 最後に次のアクションとしてやることを、対象者自身が宣言することは効果がありそう。やろうという気持ちになる。

そして、改めて1on1をする側、受ける側双方の視点で考え込む事態に。

  • 今回は本人が課題認識を持っている状態なため、話を進ませやすいが、本人が課題認識を持っていない場合は、そもそも問いかけても課題として気づいてもらえない気がする。

  • そういう場合は、「単純なフィードバック」(事実を伝える)をした上で、どのような点が自分の課題なのかを考えてもらう形式なら良いかも。

  • 1on1をする際に、「メンバーとしての期待」「理想的な仕事への取り組み方」といった、共通認識は必要だと思う。

  • 1on1 の対象者自身がどのような意識で臨むのかも大切。自分の思考を引き出す場ととらえられているかどうか。主体は、対象者自身、という意識があるか。

まとめ

今回改めてみんなで認識したのは、1on1する側だけではなく受ける側の意識も重要、ということです。
「1on1で話す」という土壌はできましたが、そこから一歩先に進むためには、もっと「1on1を受ける側」の心構えと、コミュニケーションの質に対する理解が深まることが求められます。
そして、私たちには、「自分がどのように成長したいのか」、「何を達成したいのか」、「どのように貢献したいのか」ということについて考えるための場をもっと提供することが求められているのではないかと思いました。
私たち自身も、対話を深め、メンバーと共に成長するために、質問の仕方や会話の手法について更に学び、改善し続けていきたいと思います。
これからも、私たちの成長の旅は続いていきます。

おまけ

今回のロープレ2のシナリオを、ChatGPTに1on1形式で作ってもらいましたので、お披露目します!杓子定規なやり取りですが、1on1風な会話になっていますのでぜひ読んでみてくださいね。

鈴川さん(リーダー):「佐竹さん、先日の飲み会、楽しかったですね。焼肉のお店、美味しかったですよね?」
佐竹さん(メンバー):「はい、すごく美味しかったです。そして、メンバーの人柄を知るいい機会になりました。」
鈴川さん(リーダー):「そうですね、私もそう感じました。ちなみに、焼肉で何の部位が一番好きですか?」
佐竹さん(メンバー):「私はカルビが好きですね。ジューシーで美味しいです。」
鈴川さん(リーダー):「なるほど、私もカルビ好きです。さて、話は変わりますが、先日の定例会議、先日の定例会議、自分のパフォーマンスについて何か感じたことはありますか?」
佐竹さん(メンバー):「うーん…自分の担当チケットについて説明した時、お客様が完全に理解してくれていないように感じました…」
鈴川さん(リーダー):「そのときのお客様の反応から、それを感じたんですね。その経験があなたにとって何を意味していると思いますか?」
佐竹さん(メンバー):「私の理解がまだ浅いことを示していると思います。そして、お客様目線での説明ができていなかったことも…」
鈴川さん(リーダー):「それらの事象から学びたいことは何ですか?」
佐竹さん(メンバー):「自分のチケットと他のチケットとの関連性をもっと理解すること。それと、お客様目線で何が求められているのかを把握することです。」
鈴川さん(リーダー):「それらを理解するために具体的に何をするつもりですか?」
佐竹さん(メンバー):「他のチケットの内容も詳しく調べ、お客様が何を求めているのかを考えてみるつもりです。」
鈴川さん(リーダー):「その取り組み、素晴らしいと思います。次回の定例会議で、より良い結果が出せると信じています。何かサポートが必要な点があれば、何でも言ってくださいね。」