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マンネリ化した避難訓練(地震)を変えてみた

 今年度は防災主任を任されています。先日は、地震対応の避難訓練がありました。
今まで通り、例年通りの避難訓練はマンネリ化していて、子供たちも職員も緊張感がない訓練になっていました。そこで、今年度は、防災主任ということで、何か一工夫できないかと管理職相談して迎えた今年度の避難訓練・・・。色々チャレンジしてみました。


1 マンネリ化した避難訓練

 授業中の決まった時間に地震が発生し、机の下に隠れるように放送で指示があったら机の下へ避難する。揺れが収まると、赤白帽子を被って、整列して、避難経路を通って、外へ逃げるという感じ。地震が発生することを知っている状況なので、子供たちも職員も地震が起きるのを待っている状態での訓練です。
 大体、この手の避難訓練は、外に集まると、管理職が「集合まで、○分○秒です。少し時間がかかりました。」「喋っている人がいました。」などと講評を語るのです。果たして、この手の訓練は、現実味があるのでしょうか。我が勤務校では、残念ながら、誰も疑わず、例年通り、今まで通りでまかり通ってきたのです。

2 防災主任の研修会で語られたこと

 避難訓練を実施する前に、研修会で慶應大学の大木聖子先生の講義を聞く機会がありました。
 この研修会で、「日本の学校の校舎は、阪神淡路大震災以降、校舎が倒壊した事例は、一つもありません!なのに、日本中、避難訓練では、必ず外に逃げる訓練をしているのですよね。」などと、刺激的な言葉が語られました。また、「○分○秒・・・なんてやってませんか。」とも。今まで当たり前に行ってきた訓練が普通だと思ってきたのに、これはいかんと思い知らされました。
 他にもたくさん語られたことはあるのですが、開口一番に言われたことはとても刺激的で、何か変えていかないと思ったわけです。

3 今年度の避難訓練

 現実味のある避難訓練にしたいという思いから、例年といくつか変えみました。
(変えたこと)
①外へ逃げる避難経路は、学級ごと訓練を待たずして確認してもらう。
②普通の教科の授業中に地震が発生する設定
③地震が余震も含めて3回発生(時間は知らせず)
④3回目の地震は、担任が教室を離れていて、児童だけの状況で地震が発生
 (児童だけで、避難行動をとる(机の下に潜る)
⑤地震発生にともなって緊急地震速報の音を流す(流れることは、事前にお知らせしました。突然だと怖がる児童もいるので。)
細かく言えばもう少しありますが、大きく変えたのは、こんな感じ。

4 実施してみて

 例年よりも職員も児童も緊張感のある訓練となりました。児童からは、「先生がいなくなったとき怖かった。」「手が震えた。」「先生がいなくてもみんなで机の下に隠れられた。」などという声がどの学年からも聞こえてきました。いつもと違う訓練で、かなり緊張感がある訓練だったようです。

5 放課後に教職員で防災研修会を実施

 例年と変えた避難訓練を踏まえ、児童の反応の共有や実際自分の学級でどの児童がどんな行動を取るか、どんな様子がみられるか出し合い、みんなで共有しました。20分程度でしたけど、「泣く」、「パニック」、「騒ぐ」、「吐く」、「腰を抜かす」、「動けない」、「怪我をする」、「先生たちもパニック」になるなど、たくさんの意見が出ました。意見を出しながら、職員の表情は、「こうなったらどうしたらいいんだろう?」と考えている真剣な様子でした。職員全員で防災意識を高める時間となったようです。例年の訓練よりも良い時間を過ごせたように思います。最後に、養護教諭から過呼吸になった時の対処法をレクチャーしていただき、研修終了となりました。
 
 現実味のある実践にしていかないといけませんね。



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