デビュー前時点でのモーリス産駒を語る

モーリスについて少し自分なりの見解を記してみようと思います。


モーリス産駒を写真やコメントで見て、まず『母に似ている』という馬はいましたでしょうか?
答えは限りなくノーだと思います。 


モーリスは亀谷式で言うところの元々主張型のロベルト系において超主張型と言って過言ではないほど自身の馬体の特徴を産駒に伝えます。
ブエナベントゥーラは最たる例でパドックでは微塵も良く見せなかったブエナビスタの仔がパドックで見栄えがするなどは母似であれば考えもしないことです。
で、馬体が似るとどうゆうことが起こるかというと単純に父と似た戦歴、戦術を得意とする傾向が生まれます。

 
人でいうとボルトのような筋肉隆々の短距離走者が主張型だとすると、ここからマラソンランナーが生まれるのか?ということ。
マラソンランナーはエネルギー効率を高める為、必要な筋肉のみをつけて無駄肉を一切削ぎ落としたクリアなフォルムに仕上げるのでゴリゴリに鍛え上げたボルトとは真逆。
ボルトの特徴を受け継ぐとやはり速い遅いはあれど短距離を得意にする体になってしまいます。

じゃあやはりモーリスでクラシックを取るのは無理なのか?というとこれも答えはノーです。


え、さっきモーリスは主張型だから自身が得意としたマイル〜2000がベストなんじゃないの?という話になりますが、ちょっと違います。
 

3歳春までは基本同世代相手との戦いになる為、その馬の元々持っているポテンシャル勝負になりがちなので、もし化け物のように強い馬が出てくるようなら2400をこなす馬がいて不思議はないです。
要するに2400は明らかに長いけど2400を得意とする馬より単純に走る能力が違い過ぎて、それでも勝てちゃうという現象が起こります。
私はこれをモーハライトことセブンサミットに賭けてみたい、というかこれしか望みがないw

ただここで一つ問題が出てきます。
実はこれが1番の問題で私がモーリス産駒を嫌った最大の理由。
それは育成です。


ノーザンの育成牧場や厩舎は何でもかんでも『終いを伸ばす』『ゴールに向かって後傾ラップを刻む』ことをしますが、これはモーリスの特性を伸ばす上では真逆です。
モーリスは厳しいラップを前々で踏ん張るタイプで現役時代にとんでもない瞬発力で勝ってきた馬ではありません。
これに瞬発力を覚えさそうとしても元々持ってるものとは違う苦手分野なので鍛えても大して伸びしろがありません。
ブエナベントゥーラやレガトゥスのレースを見ると、まさに終いを生かす競馬をしていますが完全に決め手不足で父の良さを生かす競馬ができていません。


またロベルト系種牡馬はレースを使って使って強くなる特性があり、使い分けるノーザンの方針とは明らかに逆行します。
過去3冠を取ったナリタブライアン、3強の一角を担ったマヤノトップガン、その他シルクジャスティス、シンボリクリスエスなどロベルト系の血統馬でデビュー時から怪物だった馬はほぼいません。


今年だとウインカーネリアンの皐月賞4着などはまさにこれで使って力を増すので、とにかく数を使えないと話にならないのです。
そういう意味では数をバンバン使えないことは明らかに不利だと考えます。

なのでモーリス産駒は初年度1頭も取らない方向で考えていました。
やはりモーリスの良さを生かすとすれば厳しいラップを前々で運んで凌ぐという戦法だと思うので、この形が確立されない以上リスクと考えます。


仕方なく縁の血統であるモーハライトは面倒見ますが、余程図抜けた能力がない以上はほぼ期待ゼロです。
来年以降については確実にノーザンの育成が進歩してくるでしょうし、はたまた突然変異的にモーリスに似てない馬が出現するかもしれません。
また非ノーザンで数使う厩舎や馬主の馬をピックアップするのはモーリスの特性を生かす上で非常に良いでしょう!


出資も含めて、この辺りは慎重に見極めていきたいと思います。

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