決算書類分析VS経営者の直感
皆さんこんばんは。弥生仁です。
僕は会計事務所に勤務しているので、普通のサラリーマンよりは決算書や試算表を見る機会が多いと思います。
決算書類、特に貸借対照表と損益計算書という二大計算書類からわかることなんでしょうか?
よく例えられるのが通信簿や健康診断書といったものです。
損益計算書は1年間でどれくらい稼ぐことができたのかが記載された書類で、貸借対照表は期末時点の、創業から蓄積された(将来)お金になるものと反対に出ていってしまうもののバランスを見ることができる書類です。
で、これらの書類に載っている金額を分析することで次なる1手をどのように打っていくのか検討するのですが、僕はこの「分析➡判断➡実行」の流れを懐疑的な目で見ています。
なぜか?
財務分析は企業活動で必須ではあるけれども、攻める武器がなまくらでは解決しようがないからです。
僕が勤めている会計事務所でもコンサルのような仕事は請け負っていて、財務分析や総合経営支援を商品としています。
1番支援しやすいのは攻めに強くイケイケなんだけれども、守りが弱いあるいは全く気にしていない会社です。
具体的には、節税対策で不必要な支出をバンバン繰り返していたり、成長性に賭けて新規事業や新卒採用、広告に身分不相応な投下をして商品・サービスの質をかえって下げたりしているような会社です。
そういう会社に適切な守りの戦略を取ってもらえば利益は増え預金も増えるはずです。
ただ、時代遅れな商品しか提供できず、大赤字な経営状態の会社はどうでしょう。すでに瀕死であれば復活の呪文なんてものは存在しないのです。
「業績V字回復している事例は多数あるじゃないか!!」
そういう意見があります。
そりゃ売れるだけの力を持っていたから復活できたんです。力はあったのに、ポテンシャルはあったのに経営者が無能だから結果が振るわなかっただけです。
何かしら攻めのための武器がなければ、守りなんて無意味です。
病気を発症して原因を突き止めても対処法がなければどうすることもできないように、例え決算書を分析して課題を見つけるだけでは商品としての価値が低い気がします。
もし攻めまでフォローてきるコンサルティングファームがあればダントツの1番になれそうです。