最高のエンターテイナー

2021年9月、その人のライブを配信で観ていたが、音楽が楽しくて飽きない病気にかかっているのだ と言っていた。


その人は自分のことを「アニソン界のお喋りクソ眼鏡」と呼ぶ。ユーモアたっぷりでアニソンシンガーとしての代表格でもある本人をよく表現していると思う。とにかく楽しそうに音楽活動をするところに魅力がある。それは聴き手である我々にも伝染する楽しさだ。ファンとの距離感が丁度よく、ステージに立たせて一緒に踊ったりSNSでエゴサして掛け合いを繰り広げたりしている。いくつものアニメ主題歌を手がけ3月には武道館ライブも決定しているがファンを大切にしている姿勢や親しみやすさが応援したくなる点だろう。2023年6月、自分の住む地域にシングルのリリイベとしてフリーライブをしに来てくれた時に初めて生で観て聴いた。集まったファンの人数と熱量に圧倒された。なにより、その場にいた全員の一体感が凄くて、心が震えるとはこういうことかと思い知った。


2024年2月、また自分の住む地域に今度はアルバムのリリイベとしてフリーライブをしに来てくれた。この時はアルバム購入のため朝から並んでフリーライブの優先観覧エリアとサイン会参加の権利を獲得した。自分にとって忘れられない1日になった。


購入したアルバムは2023年春のワンマンライブの映像も収録されている。大好きな曲ばかりで観ていてワクワクが止まらない。初めて聴く曲でも耳が喜ぶような曲をつくる人なのだ。自分がハマるきっかけとなった「インパーフェクト」からの「UNION」「uni‐verse」の流れと演出が特に良かった。好きな声優が出るらしいからと観始めた「SSSS.DYNAZENON」という作品の主題歌であり出会わせてくれたことに感謝しなければいけない。アニメも主題歌も、それぞれ、というより合わせて好きな作品になっている。もはや、どちらに感謝なのか分からない両方に感謝。ありがとう世界。


そして、これはきっと本人の境遇を表現しているであろう「エンターテイナー」という曲。これを心の底から嬉しそうに歌う姿が、とても印象的だ。

(1番サビ)
エンターテイナー あんたのせいだ
僕の心がうずいてる
羽の生えた魔法みたいな
そんな景色を僕に見せて
塞ぎ込んだ日常をどうか鮮やかに壊して


40歳になったら活動を辞めようかなと思ったこともあるけど、みんなの笑顔が嬉しいから。と、アニメの主人公のようなことを言っていた。節目の40歳から数年経った今、おじいちゃんになるまで活動を続けたいと話していた。


「音楽が楽しくて飽きない病気」は、おそらく今もこれからも健在なんだと思う。病気について、なるべく治らないようにと願うのは、これが人生で初めてだろう。


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