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Zeiss Distagon T* 1.4/35 ZM レビュー(ファーストインプレッション)


zeiss distagon T* 1.4/35 VM / Leica M10-R

ついにこのレンズを手にしてしまった。
2024/07/30 現在、本当に手にしただけであって、全くと言っていいほどこのレンズを使用することはできていない。それゆえに暫定で簡易なレビューというよりもむしろメモ書きみたいなものである。じきに以前書いたNOKTON vintage line 35mm f1.5 (本当によいレンズ)くらいの規模のレビューを書くつもりでいる。

第一印象としてはやはりデカい。
まあとにかくいい感じに映る。

サイズ的にはNOKTON vintage line 35mm f1.5の2倍。

レビューというよりはNOKTON vintage line 35mm f1.5との簡易的な比較になる。レンズに個体差はあるし、限られた条件下で一度比較しただけであるから、ここに書いてあることに再現性の保証がないということには留意して読んでもらいたい。

Zeiss Distagon T* 1.4/35 VM / Leica M10-R

この記事におけるnoktonは特に断りのない限り
NOKTON vintage line 35mm f1.5のことを指す。

NOKTON vintage line 35mm f1.5と比較して気がついたことは、NOKTON vintage line 35mm f1.5がDistagonに劣らないというか、四隅(像高17mm~くらい)の解像は意外にもnoktonの方が安定しているようにも思える(要検証)。ただ、情緒的な部分というか質感再現の部分はやはりDistagonに軍配があがる。あと、noktonに比べるとDistagonのボケは圧倒的に綺麗だ。noktonとdistagonには設計思想の差を感じるし、この比較結果もその思想の差によるものなのだろうと思う。

個人的な感想だがnoktonの方はかなり実用的な道具に近い。コンパクトさはもちろんのこと、絞ると画面いっぱいに均一な解像を見せるし、開放F値も1.5でそのサイズからは考えられないほどによく映る。解像感を持ち合わせているが解像度でも殴ってくるそんな感じだ。本当に全体としてのバランスが良い。トヨタ車(とりわけクラウンシリーズ)みたいなレンズだ。

一方distagonは中心の解像とボケの圧倒的な綺麗さ、圧倒的な質感描写で脳に被写体の感覚を再構成させて本能的な部分に半ば強制的に訴えかけてくるような描写を与えてくれる。そういう描写を与えてくれるというか、そのために設計に設計されたレンズなのだろうと思う。このレンズはF1.4~F2.8くらいまでの使用しか推奨されていないんじゃないか?という意図、ましてや開放のみ使えというZEISSの意図を感じる。そのくらいにボケが美しい。noktonのトヨタ車っぽさに対してdistagonはポルシェ911みたいな感じなのだろうと思う。(ZEISSといいポルシェといい、ドイツという国の国民性なのだろうか)
絞るなら別にNOKTON vintage line 35mm f1.5も同じような傾向の描写をするし、他にも35mmのULTRON(これは35mm summicron M よりも出来の良いレンズとの噂である)を使えば良いと思う。逆に言えば、distagonは思ったよりもつけっぱなしになるレンズではないのかもしれない。(しかし、つけっぱなしにしたいと思っている。)

ZEISS distagon T* 1.4/35 ZM (トリミング) / Leica M10-R

「開放でのみ使うのだ!」なんてことを言いつつ、普通に絞ってもめちゃくちゃ写るし使える。上の画像は4000万画素から600万画素くらいに切り抜いている。(要するに35mmの画角から90mmぐらいの画角に切り抜いているわけだ)

ZEISS distagon T* 1.4/35 ZM / Leica M10-R

嗜好品みたいな写りをする。
ボケが美しい。
Distagonはセカンドカーのようなものなのだろうと思う。(そしてセカンドカーばかりに乗りがちになるのがこういったケースのオチである)

2つのレンズに優劣をつけるのは難しい。写りは遥かにDistagonの方が好みだが、一つのレンズの完成度(それも私自身が重きを置いている汎用性を大きく加味して)としてはnoktonがバランスが良くて好みだ。

一旦このくらいのメモ書きにしておく。
追記、あるいは新しい記事がいつになるのかは見当もつかない。
今と真逆のことを言い出す可能性も十分にある。
確信めいていることはnoktonとdistagonで同時所有が成立し、どちらのレンズも今後手放すことはないだろうということくらいである。

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