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日本を離れて感じること

スイスには海が無い。

でも、綺麗な湖が数多く存在する。ヨーロッパ人にとってもスイスは観光地としてポピュラーであり、特にウィンタースポーツ目当てで訪れる人が多いらしい。

今回は夏休みとして、初めてスイスを訪れたわけだが、夏でもこちらの人は湖に面した公園で水着で寝そべったり、本を読んだり、そしてたまに泳いだり。浜辺は無いけど、そう、これがスイス人の夏の過ごし方なのだ。

今回スイスを訪れて、というかヨーロッパに暮らして5ヶ月が過ぎて色々と感じることがある。もちろん、コロナで今も大変だけど、我々日本人とは全然価値観が違うと痛感した。

仕事と余暇、公私をくっきり分けているし、とにかく自然を満喫している。ブリュッセルはヨーロッパでも緑が多く、公園で一人本を読んでゆっくり過ごしているおばさんやお兄さんがたくさんいる。何よりせこせこしていない。

こっちにきたばっかりの時は、携帯会社の契約が遅いとか、銀行のレスが遅いとか、日本ではあり得ないことに憤慨してたけど、今思うと、日本のホスピタリティやサービスは素晴らしいけど、それぞれの従業員や職員が自分の心身をすり減らしてまで「お客様は神様」にすべきなのか、と思う。

海外に暮らす日本人にありがちな、「こちらはすごい!でも日本は….」みたいな構図を作り出すのは嫌だが、でもやっぱり日本を離れてみると色々と客観視できるのも確かである。5ヶ月海外に暮らしてみて、日本のことをどう思うか、と聞かれれば、狭い島国でみんなでギスギスし合っているように見える(とある友人は日本のことを「足を引っ張る文化」と言っていた)。

大陸と島国は違う。風土も気質も。それぞれの良さがある。だから決してこちらが素晴らしいとは思わない。サービスの質は低いし、みんな自分勝手で、責任をなるべくとらないようにしている。でもしっかり「個」を持っていて、とどのつまり何が一番大事なのかを自覚しているように見える。

チューリッヒの湖で、ぷかぷか浮かぶボートで日光浴をする中年カップルや、無邪気に湖で泳いで遊ぶ若者たちを見てしまうと、どうしても自分のこれまでの人生で大切な何かを置いてきたような気持ちになったのは確かだ。

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