国名Etymologyへの若干の突っ込み



主にスレッドに載っていないものについて

合ってる

カナダ:ローレンシア地域のネイティブアメリカンのkanata「村」が語源。

ドイツ:Deutschは「人々」の意味。エクソニムのGermanyのほうはローマ以前の語源がはっきりしない。

チャド現地語tsadeも「湖」の意味

オーストリア:Österreich「東の国」の意味。オーストラリアの項を参照。

以下合ってると言っていい国:フランス「槍」ルーマニア「ローマ人」など。

だいたい合ってる

イギリス:イングランドは「アングル人の土地」の意味で、アングル人とはアンゲルン半島に住んでいた人の意味。ここのアングルは今の英語のangleと同じ意味で、90度くらいにまがったものもアングルと呼び、アンゲルンはそういう形の半島の意味である。エンドニムのグレートブリテンの語源を遡ると、ブリテンは再建ではあるが「絵」という意味の*Prɨdėnという語が想定されており、ピクト人と同じく入れ墨に由来すると考えられている。

オーストラリア:語源的にはテラ・アウストラリス・インコグニタだが、「未知の」の意味のインコグニタは消えてるので単に「南の地」でいいと思う。ラテン語austerはドイツ語Österや英語eastや同語源で「日の出」の意味だが、ラテン語では「東」をオリエントで置き換えた際になぜかausterが「南」の意味に付け替えられ、オーストリアとの混同が起きている。

ロシア:直接的には「ルーシの国」で、ルーシの語はフィンランド語のruskeaから来ているのだろうとされる。ruskeaは「褐色」の意味だが、それの派生語として「ボートの漕ぎ手」として知られたRoslagenという部族がいたとされる。

オランダホラントは「森の地」でよい。エンドニムのネーデルラントは「低地」。

ギリシャ:エクソニムのグライコスの語源は都市名グライア、grayと同根で「灰色」「老成した」と考えられている。エンドニムのへラスの語源は不明。

ブラジル:brasa「燃えさし」のように赤い木、という意味で元来スオウを指していたが、同じく赤色染料を取り出せる木として現ブラジルにあるブラジルボクも指すようになった。なお赤いのは木の幹、それも幹の中心部である。

香港:香木の集積地だった港なので、港自体が香っていたわけではない。

解像度が低い

インド:インダス川から来ているが、インダスの語源ははっきりしない。ある説ではドラヴィダ語で「ナツメヤシ」のCintuからSindhを経てインドになったとする。

ザンビア:直接的にはザンベジ川流域国。ザンベジ川の語源ははっきりしないが、M'biza「ビザ人の」川、という説が有力で、ビザの語源は不明。

若干違う

スペインHispaniaはアナウサギをハイラックスと誤認したフェニキア語の𐤔𐤐‎𐤍‎ ‎𐤀𐤉「ハイラックスの土地」から来ているのだろうと言われてきたが、最近は𐤑𐤐𐤍‎‎ ‎𐤀𐤉‎‎‎「北向きの地」説が有力とのこと。

間違いがある

アメリカ(USA):直接的にはアメリゴ・ヴェスプッチだが、アメリゴはエンリケなどと同じく、ドイツ語のハインリッヒやエメリッヒなどHeim「家」+rihhi「統率者」、「家長」である。なおアメリゴ・ヴェスプッチの親は商人ではなく公証人。

サウジアラビア:「サウード(家)のアラビア」だが、アラビアの語は古すぎて語源がはっきりしない。サウード家のサウードは個人名サウードに由来し、意味は「幸運」。ローマ由来のFelixと同じ意味の個人名。

モンゴル:古い上に文字資料が少なく語源がはっきりしない。一説によればモンゴル語Mongkhe-tengri-gal「永遠の天の火」の短縮形だが、語源俗解っぽさがある。

ベルギー:ベルガエ族に由来するが、ベルガエ族は「(怒って)頬を膨らませている人」。

ハンガリートゥルク語派で「十の部族」「十本の矢」を意味するオノグル。「フン族」説は典型的な民間語源とされる。エンドニムのマジャルは「人」の意

スイス:不確定だが「焼き畑」という説が挙げられている。

ルクセンブルクルシリンブルク「小さな城」が語源だが、途中でスペルがLuccelemburcとなった時にcceをクセと読ませ、さらにLuxemburgと綴るようになるとあら不思議、ラテン語+ドイツ語のちゃんぽんで「光の城」と書いてあるように見える。これわざとだろうなという感じしかしない。

エジプト:さかのぼればヒエログリフに書かれたウーカプタ「プタハ神殿」。それをギリシア人が聞いて「アイギュプトス」という神格を作り、エジプト全体の名称とした。エンドニムのミスルは楔型文字のころからのこの地域の名称。

コンゴ日本語wikipediaでは本保正紀説でバントゥー語「山」としている。英語wikipediaではネルソン説でkonga「集まり」だとしている。

マダガスカルマルコポーロの伝聞に由来しており、語源不明。

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