田舎育ちである。
いや、田舎育ちというと誤解を受けるかもしれない。
田舎にも何段階かあって、
周りが豊かな森に囲まれているような田舎もあれば、
田舎の都市ともいうべきロードサイドに店が立ち並ぶような田舎もある。
住んでいたところがどの辺りに属するかというと、
その中間森寄りである。
周りは畑ばかりだったが、
森があって夏は虫取りが楽しめる・・という訳ではない。
では、お店が沢山あって買い物を楽しめるかというとそうでもない。
そもそも最寄り駅まで車で20分は掛かろうかという田舎である。
幼い頃の夏の楽しみは田んぼでオタマジャクシを探す事である。
昔はこの中途半端な田舎さにコンプレックスがあった。
通販が発達していないので、
街に行かなければ欲しいものは手に入らない。
例えばトレーディングカードを買う場所は最寄りのコンビニだ。
当時はカードショップという物はまだ無かったと記憶しているので、
ここに入荷しなければ手に入らない。
大型の商業施設は子供の脚ではいけない距離なので、
親の暇を見て連れて行ってもらう形だ。
逆に自然の中で遊びたいと思っても、
やはり子供の脚で行ける距離に森は無いので遊びには行けない形だ。
遊び場は車の通りの少ない住宅街の道路だった。
田舎と言ってもいくつもの田舎がある。
田舎人同士でも共感を得るのは難しいだろうなと思う。
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