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よく見られようと

 計器の先輩が試験に受かった。嬉しそうな表情をされていて本当に良かった。仕事をされながら何年もかかって、諦めずにここまでやってきたのは、尊敬に値する。試験当日の朝、彼の雰囲気から受かるだろうなと、感じた。落ち着きがある。ゆとりが感じられる。どこか自信のようなものが滲み出ている。どうやら、その空気を受け取ったのは、僕だけではなく、学校の事務のスタッフの方も、今日は何かいい雰囲気だね、と声をかけていた。

案の定合格された。やっぱりなと感じたが、不思議な雰囲気であった。教官方も全員受かるだろうという雰囲気が試験の最初からあった気がする。フライト後も、教官はフライト内容について先輩を褒めていた。それほどよかったのだろう。

自信のというものは、オーラとなって現れるのだ。

僕が試験に受かる為に、自信をつける為に必要なことは何かと考えた。

一つ、表情の波をなくすこと。ようは、喜怒哀楽の波をなくすことだ。特に、怒哀の感情が出始めたと感じた時は、一旦収まるのを待つ。そこを第三者的な目線でモニターすれば、制御可能だ。やってみよう。

 学校の帰りに後輩とスタバに行って色々話した。彼らは、僕よりだいぶ歳下だが、僕に忘れかけていた大切な感情を教えてくれる。彼らは、素直だし、荒削りな部分はあるが、人によく見られようとかいう感情がない。ありのままで、体当たりでぶつかっている。最近の僕は、どこか人によく見られようと、良い子を演じている傾向があるなと感じる。

人によく思われようとして、それを自己主張するほど、ダサいものはない。

男は、背中で見せる生き物だ。計器に受かった先輩みたいに、オーラで示すのだ。

そういう男になろう。お高くとまるのは、ごめんだ。