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ケツノアオサとVoices

Voices を読んでいると、色んなパイロットの失敗談があって結構面白い。あぁ、こんな些細なミスが命取りになりかねないんだ。プロパイロットでも結構ミス、ヒヤリハットをするんだな。

今日、僕は決定的なミスを犯した。航空機事故になりかねない重大なミスだ。

Engine run upの時だ。パワーを足して、magnet drop check をした。いつもよりドロップするのが遅い。その時、ちょうどハンガーに内の学校の別の機体が入ってきて、周囲のいつもと違う光景が視界の端に入っていた。僕はこの時、両エンジンの片方のmagnetをoff にしたまま、onにするのを忘れて、そのままrun up complete とした。オブザーブしていた訓練生仲間の指摘で初めて気が付いた。このまま、take off していて、推力が得られないまま浮揚すると、最悪のシナリオが待っていたかもしれない。試験だと即終了だっただろう。

ここで、感情と理性に分けて今日のミスを分析する。

感情から。まずは自分に強く言う。

まだまだ僕はケツガアオイ。飛行機を舐めるな。少し応用がついたからといって、他の訓練生より上手いだなんて思い上がり、教官をやれるなんてのは100年早い。僕はまだまだ訓練生の身だ。基本に立ち返り、慢心を抑え、常に謙虚にならななければならない。空では天狗の鼻は簡単にへし折られるのだ。

次に理性から。TEMという考えた方がある。thread and error managementの頭文字をとってTEMだ。今日は、プレフライトを教官から質問を受けながらしていたので、時間がいつもよりかかった。このままだと定刻通り出発できない。かつ、他の機体がハンガーに入ってきて、一瞬集中を奪われた。magnetのドロップがいつもより遅かった。心理的に知らず知らずの内に負荷がかかっていた。結果として、magnetをon にし忘れてるという決定的なミスを犯した。

対処法は、タメを作ること。即ち時間を作ることだ。焦ると時間が余計かかる。ミスも増える。

いつもと違う変化はより慎重に時間をかけること。

自分の集中が他に乱されていると思ったら、あえてペースを落とすこと。

TEM は、自分で分析して対処できるようにしよう。そして、 voices もしっかり読んで先輩のミスを糧に自分ならどうする?ということを常に考えるようにしよう。