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見られてなんぼの世界で

 人に見られてようが、見られてまいが常に同じパフォーマンスを発揮できるには、どうしたらよいだろうか?精神論より、むしろ現実的な解決策を模索しよう。

一つは、ズラし、だ。

  外的要因が感情抜きにしてどこまで自分に影響を与えるかを考えて、それを意識からズラすことをやってみよう。例えば、僕は高校の頃のバスケの試合で、毎回緊張してパフォーマンスをフルに発揮できないことが多かった。それは、観客の目を気にしすぎていて、意識がそっちに向いていてエネルギーを消費してしまったからだ。ただ、ここで冷静に考えたら、観客が僕に外的な影響を与えることはない。彼らはコートに入らないのだから。それを認識した上で、意識をズラすのだ。

 飛行機を操縦していて、ズラすべきところと、ズラすべきでないところとはっきり境界を引くことが必要であると分かった。

 例えば、他のトラフィックの情報が入っていて、こちらに向かっているとしたら、明らかにここでは意識しておかなければらない。なぜなら、外的要因で自分のフライトに支障がでるからだ。バスケでいうと、コートに隣のボールが転がり込んできたと同じだろうか。

 逆に、意識をズラすべきときは、例えば今日がその典型だった。薩摩硫黄島からTake offする前、所長さんがわざわざお見送りをして下さった。暑い中立ってもらっているのが申し訳なくて、ついTake off前のCheck Listを焦ってしまい、疎かにしてしまった。そして、パーキングブレーキを外すのを忘れてTAXIを開始したため、全然進まない。パワーを足しているのに、おかしいな?と感じながらもミスに気づかない。教官に指摘されてやっと気づいた。もし、教官も気付かなかったら、Take offのローリング中にスピードが乗らず、最悪の事態を招いてたかもしれない。

意識をズラせなかったことが、ミスを誘発し、結果criticalになり得る。

ヒューマンエラーを身を持って経験した。余計なことまで意識を持っていかない為。

一回意識をずらして、今意識を一番に向けるべきはどこだろうか、あ、ここか、というモニターが必要だ。

意識ズラシ、磨いていこう。