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はっきりハキハキ

 昼休憩に上床山公園に行った。ここは、鹿児島空港、Runway 16のRight downwind からBase Turn 付近にある。downwindの目標になる所だが、今まで一度も行ったことがなかった。広々とした公園には、ゲートボールを興じているおじいちゃん、おばあちゃんの声とコツンという音が響いている。遠くに、空港のRunway16 からdepart しているエアライン機が見える。轟音は空気を伝って公園まで届く。そんな平和な光景を眺めるように、特攻隊員戦没の慰霊碑が建っている。当たり前のように日常を暮らせていることに改めて感謝したい。今の平和は、多くの犠牲の上に成り立っているものだということを胸に刻んでおこう。何か大切なものを忘れてしまいそうになった時は、またここに来よう。

 午後、コックピット訓練をしようと、ハンガーに入るとベテラン整備士の方から、昨日の試験の様子を聞かれたので、少し立ち話をした。幾多の訓練生を見てきた方だ。その方に聞いてみた。

受かっている人の特徴ってありますか?

すると、即座にこう答えた。

ある。物事をはっきり喋るやつは、受かっている。俺が冗談を言っていても、やつらははっきりと喋る。質問をしても、はっきり答える。分からない時は、分かりません、とはっきり答える。曖昧なことは言わない。

なるほど、やはりそうなのか、ならば僕もそういう風に振る舞おう。自分がはっきり答えていない時は、自信がない時、というのは分かっている。ならば、自信があってもなくても、はっきり答えよう。そういう人物を演じよう。演じていれば、自然と自分のものになる。

 パイロットの会話や思考回路は、アメリカ的論文に似ていると思う。どういことか。結論をバーンっと先に持ってくるのだ。その後に、理由を述べる。小説のように起承転結のではなく、結果と根拠の2つを、ばん、ばん、と出す。シンプル、明白で、こちらとしてもスッキリする。僕の喋り方は、どちらかというとまわりくどい傾向にある。おまけに滑舌が悪い時があるので、聞き返されることもある。だから、決めた。シンプルな喋り方、はっきりとした口調で喋る。こういうことも、普段から意識して訓練していこう。