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優先順位と基準
パイロットにとって、最も必要な能力は、優先順位付け。基準を持つこと。この2点である。
この前の良い例があった。着陸時、Short final を過ぎて、Threshold を過ぎた当たりのことだ。最終の着陸形態。センターラインから左にズレている。ここで、パイロットが取るべき行動は、センターラインをずらしたまま真っ直ぐ着陸することだ。ここにポイントが2つ隠されている。
一つ目、優先順位の第一は、安全運航。従って、ズレたセンターラインから、無理にセンターラインに乗ろうとして、急激な操作を加えると更に状態が不安定になる可能性がある。勿論、ランウェイから外れない程度の範囲にいることが前提にあるが。だから、センターラインをずらしたまま着陸するという選択をする。
2つ目、新たな基準を設定する。ようは、ズレたセンターラインから、架空のセンターラインを自分から一直線に引くということだ。そして、その架空センターラインを絶対に外さないように下す降ろすのだ。着陸した後も、無理にセンターラインに戻そうとしない。
優先順位も基準も流動する。
その際に今日教わったのが、優先順位の選択や、基準の設定の際に、
自分に有利な方に持っていく。
ということがポイントになる。今日オブザーブしていて、雲の稜線をちょうど飛んでいた。雲に入ったり、出たりを繰り返した。僕ならバーティゴに入るかもしれません。目線は、どこに向けたらいいですか?と教官に聞いた。そうなる可能性があると分かっているなら、100%計器。と仰った。なるほど、これが自分に、有利な方に持っていく。ということか。
以前、うちの学校にほぼ来られたことがない試験官に試験前に、僕の過去問ないよね?頑張ってね。と声をかけられた際に、僕は正直に過去問は他の方から少し頂きました。と答えた。
教官は、何でバカ正直に答えるの?と笑って仰っていたが、その意味が3ヶ月経った今になって分かった。
パイロットは、常に安全サイドに思考を張り巡らす。よって、自分が有利な方に運ぶ技術が求められるのだ。
これは、正直とかそういうレベルの話ではなく、ミッションを楽にクリアする為の方法なのだ。
なるほど、繋がったな。と今日感じた。
天秤にかけた時。安全はこっち。有利な方はこっち。だから、今はこれをやって、あれをやらない。そうやって、サクサク判断をしていくことが大切なんだ。今日も、ものすごく大切なことが得られた。
さぁ、やってやろう。