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泣く人は

昔通っていた楽器のレッスンの最中に、先生の前で急に泣いちゃったことがある。

先生の演奏技術や指導法は独自的でありながらすごく確立されていて、それでいて納得のいくものだったし、自分にない演奏法をたくさん教えてくれた。

それと同時に心がけの面でも新しい価値観の風を私の中に吹かせてくれる先生でもあった。
たまにあまりにも極端な考え方だなぁって思う時があったり、厳しいことも言われたりしたけど。




そのレッスンを受けた日には、たぶん私生活で何もかもうまくいかなくて、追い詰められてたんだと思う。
もう一年ぐらい前の話だから、その頃何に悩んでたのかは覚えてない。
あんまり後から思い出したくないと思ったのか、マイナスのことは当時はあまり書きたくなかったのか、日記を見返しても書いてなかった。



普通の人だったら誰だって、話してる途中に急に相手が泣き出したら、え?大丈夫?ってちょっとは思っちゃうんじゃないか。

でもその先生は、動揺したり困った顔なんて一切見せなかった。私になんて言ったかっていうと、


“今まで見てきた生徒で感受性が高い子はね、みんないい結婚して絶対に幸せになれてるからあなたも大丈夫だよ”

なんで結婚の話が出てきたのかはちょっとよくわかんないのだけれど、なんか占いでいい結果が出たみたいな気持ちになって、まあとりあえずずっと信じてみている。
幸せになれるって思ってる分にはきっと損しないなと思って。



でも、幸せってなんなのか、いまだにわからないし、この先もきっと一生言葉で表すことって難しいんだろうなと思う。
先生の言葉、解釈次第では結婚して、それで幸せになれるっていうふうにも聴こえる。

でも、わたしは、1人でいて自分の好きな場所で自分の好きなことをするのが最高だなぁって思う時もあれば、大好きな人たちといる時間が最高だって思う時もある。
辛くて泣ける毎日でも、目標に向かってる自分が好きだなぁって思う時もあれば、ゆっくり美味しいものを食べたり本を読んでいる自分が好きな時もある。

幸せって、自分が好きな自分でいられる時間が、人生の中に存在するってことなのかな。



人間、結局みんな孤独だっていう。
わたしもそう思う。

泣きたくなんかないのにどうしようも泣けてくる自分が嫌になる時もある。
泣いてる自分嫌、じゃなくて、泣いてる自分は自分ときちんと向き合って、それできっと自分をゆっくり好きになろうとしてる過程だから大丈夫なんだよって思える日が来てほしい。

自分は自分で幸せにしてやるぞ〜!

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