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口笛を吹きながら。

音楽を聴いているときには、
その歌といっしょにぼくも歌いながら、
また、歌ではないときはさ、たとえば、
ギターリフを真似するようにしながら、
口笛を吹いたりしている。

口笛を吹きながら、
口笛で音程を取る、ってゆうのは、
なんだか不思議だなあと感じる。

口笛って、口の中の
舌を置く位置で音程を取っていると思うけど。
微妙な動きによって音の高さを調節していて、
じぶんとしてはさ、それが、
ある意味では自然にできているなんて、
けっこう、不思議だ。

ぼくは、楽器ができないから。

たとえば、ピアノは、
ぜんぜんできない。
恥ずかしながら、鍵盤のどこが「ド」なのか、
あんまりわかっていないし。
幼稚園のころだったかなあ、
鍵盤ハーモニカを演奏するときに、鍵盤に
マーカーでドレミを書いていた気がする。
「全全半全全全半」というのも聞いたことあるけど、
あんまりよくわかりません。

そして、じぶんは大学生のころ、
アコースティックギターを購入して。
そのギターは、今でも触っているけれども。
コードをおさえて、じゃかじゃかと
ストロークで弾くのが多少できるくらいで。
一音ずつ弾くアルペジオや、はたまた、
ソロ的なことはさっぱりわからない。
スケール、と言うんでしょうか、
ぼく、ぜんぜん、わからない。

ギターのコードもね、その曲の
コード譜やタブ譜を見ながらじゃあないと弾けないから。
なんにも見ないともすれば、その小節が、
「C」なのか、「G」なのか、「F」なのか、
「Am」なのか、「Emmaj7」なのか、「C#m7♭5」なのか、
みたいなコード進行は、まったくわかんない。

そう考えてみれば、曲を聴きながら、
真似するようにしながら、
口笛を吹ける、ってゆうのはさ、
どうして吹くことができるのか、謎だ。
それは、口笛だけでなくって、
歌うことだってもね、
なんとなくの感覚でやっていて。

口笛も、歌うことも、
じぶん自身の身体を、操作するようにして、
じぶんなりに動かしながら、
やっているんだろうなあー。

そうだともすれば、もしかしたら、
楽器を演奏することは、楽器が
演奏者の身体の一部に成っている。と申しますか。
つまりは、身体と楽器が同化するようにして、
演奏されているのかもしれない。

そんなことをね、
音楽を聴きながら、
口笛を吹きながら、思っておりました。

令和3年5月22日


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