「溶媒」の「媒」の字はどうして「女へん」なのか?
学習塾講師のアルバイトをしていて、ぼくは、まだまだどうしても生徒からの質問にたじろいでしまうこともあるのですが。
このまえはね、理科の「水溶液」の単元を勉強していた中学1年生の男子生徒より、
「溶媒の『媒』の字は、どうして『女へん』なんですか?」
と訊かれまして。ぼくは、えー??? っておもいながら、それを頭のなかで考えても考えてもぜんぜん思い浮かばなくって。なので、ごめん、それはむつかしい、答えられん。とのように応えていた。
それでバイトが終わり家へ帰ってからも、この彼の質問は気になっていて。
ふと、そーいえば、白川静さんの『常用字解』で「媒」の字をしらべてみようかな!!! っておもったの。
すると、、、
某(ぼう)はもと曰(えつ)と木とを組み合わせた形で、木の枝に曰(神への祈りの分 文である祝詞(のりと)を入れる器の「さい」の中に、祝詞のある形)を著(つ)けて神に捧(ささ)げ、神意を問い謀(はか)るの意味で、謀のもとの字である。女に結婚のことを謀ることを媒といい、「なこうど、なかだち」の意味となる。他の鳥を誘い寄せるために使う鳥を媒鳥(おとり)という。[用例]媒介 二つのものの間に立って、関係をつけること。なかだち
と、『常用字解』にはございましたので。このことを引用しながら。
そして、
「溶媒」溶質(水溶液に溶けている物質)を溶かしている液体
であるのだから。たとえば、、、
「溶質」が「溶液」になるためには、「溶媒」がひつようになってきて。つまり、「溶質」が「溶媒」と出合うことで「溶液」となる。図式化のようにしてみれば、
溶質+溶媒=溶液(←「溶液」が水の場合には「数溶液」)
ってゆうことなのだろう。
これはさ、つまり「溶媒」が「なかだち」になっている、の意だから。この『常用字解』のとおり、この「女へん」の「媒」という字がふさわしいのではないかな???
って、後日になって生徒へ伝えたんですが。
この答えが、ほんとうにだいじょうぶだったのかどうかは、じぶんもよくわからないけれど。
また、テストとかにも関係ないけれど。
ぼくとしては、しらべることで、なるほどぉ、っておもえたからよいのかもしれない。って、じぶん勝手にはおもってしまった。
でも、なんだか、こういうするどいような質問の持つ力っていうのはすごいなあ、って感じたの。
なんてゆうか、質問によってつぎに動くことができる。と言うかさ。
なんかじぶんも、もっと自由に質問を思いつけるようになれたら。っておもったのよね。
平成30年10月11日
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