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今こそ、「クチヘン」を想う。

先月13日のnoteでは、
橋本治さんの著書『国家を考えてみよう』の中で、
「クニガマエ」の【囗】と「クチヘン」の【口】
のことを読んで、それから、
「クニガマエ」の漢字について考えてみよう。
と思って、ブログ書いたのだった。

もういちど、書籍のその箇所を引用しますと、、

 大昔の中国で、「国」は「囗」と書きました。「口(くち)」ではなくて、「囗(くに)」です。当時の国というのは、四方を城壁で囲まれる都市国家だったので、四方の城壁を表す線を書けば、それで「囗(くに)」です。だから、「国」や「園」や「囲」のように、文字全体を囲む「囗」をクニガマエと言って、「叱」「叫」「吐」に使う小さい「口」の「クチヘン」と区別します。
「囗(くに)」の中にはなにもありません。なにもなくても、「国の境」を示す四方の境界線があれば、それでもう「国」です。古代の中国での「国」は「state=領土」の方でした。
「国」という漢字は、第二次世界大戦の後に日本政府が決めた新しい字体で、「囗」の中に「玉」が入っていますが、この字の古くて正しい形は「囗」の中に「或」が入っている「國」です。
(橋本治さん著『国家を考えてみよう』18-19頁より引用です。)

そして、ここでの
「『叱』『叫』『吐』に使う小さい『口』の
『クチヘン』と区別します。」と書かれてあるのを見てから、
この【叱る】【叫ぶ】【吐く】以外にはさ、
どんな「クチヘン」の漢字があるかなあ。って。
それから1か月間、読書中などなどのときにね、
この「クチヘン」の漢字を探していたの。

そしたら、あるわ、あるわ、
当初思っていたよりもいっぱいあった〜。

たとえば、
【吹く】や、【唄う】や、このほかにも、
【喋る】【呟く】【囁く】【啄む】【囀る】【鳴る】
【唸る】【嘆く】【喚く】【呻く】【喘ぐ】【噤む】
という動詞系でさらに挙げれば、
【噛む】【嚙る】【啜る】【吸う】【喫う】【嗜む】
【嘲る】【囃す】【嗤う】【哂う】【叩く】【呼ぶ】
などなどや、もっと、もっと、
【喰らう】【吠える】【唱える】【咽せる】【咥える】
とか、さらには、
【呪う】や【叶う】という漢字もね、
「クチヘン」だったなあ。

このなかではさ、【叩く】という字がさ、
「手へん」でなく「口へん」というのは、
どことなく、印象的、とゆうか。
【叩く】って、「口」に関することだったのかあ。
と感じました。

また、
【咳】や【唾】や【味】や【嗅】や、
というような、今現在、よく言われることば、そして、
【嘘】とか、【噂】とか、【喝】とか、
という漢字もあったり。

はたまた、熟語系でもね、
「唖然」の【唖】や、「威嚇」の【嚇】や、
「噴出」の【噴】や、「示唆」の【唆】や、
「比喩」の【喩】というのもありつつ。
落語の「噺家」さんの【噺】という漢字もあるし。
また、三文字の熟語では、
「獅子吼(ししく)」の【吼】という漢字もある。

どちらの漢字とも「クチヘン」の熟語ならば、
【咄嗟】【喧嘩】【嘔吐】【嗚咽】
【吟味】【味噌】【咀嚼】【咽喉】
【呼吸】という語句もあったりして。

「口」に関する漢字ってば、
こんなにもあったのかあ。って驚いたっす。

ぼくは、
味噌と少しの野菜を食べながら、
丈夫なからだを持ち、いつも静かに笑ってたい。

そして、唄いたい〜。

令和2年4月13日


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