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平仮名の反逆者。

このまえあるレストランへ入ると、
満席でね、席があくのを待つため、
お店の入り口のボードに名前を書こうとして。
そのボードには、
ぼくの前のお客さんたち全員、苗字が、
カタカナで書かれてあったんだけれども。
そのボードの上にある説明書きをよくよく見れば、
「名前をひらがなで記してください。」
というふうに記されていて。

ならば、と思って、ぼくはそこに
「すずき」とひらがなで書いたんだった。

そうして、しばらく待ってから、
じぶんの名前が呼ばれて店内へ入るときに、
ちらっと横目でそのボードを眺めるとね、
ぼくが書いた後の人たちも、全員、
苗字をカタカナで書かれていて。

なんだか、ぎゃくに、ぼくだけが、
名前を平仮名で書く反逆者、
みたいなふうになってしまっていた。

そもそもを言えば、おそらくお店側としては、
漢字だと読み方がわからない場合があるから、
仮名で書いてほしい。
という意図だとはぞんじますが。
もしもそうならば、べつに、
ひらがなでもカタカナでもどちらでもよくって。
また、お客さん側もそんなことは気にせずに、
どちらかの仮名で書くんだろう。

でも、ぼくは、なんとなく
「ひらがなで書いてください。」とあれば、
馬鹿正直なのかもしれないけど、言われたとおり、
ひらがなで書かなきゃと思う性分で。
そうしなければ、なんだか、
もうしわけない気持ちになってしまうの。

でも、このボードのことで考えてみると、
そういうのはさ、つまり、
そういう気持ちになってしまうのは、
じぶんの考え過ぎなのやもしれない?!

言われたとおりにするべきなのか否か。。。

ってゆうそんなことを思いながら、
その日、夕飯を食べたんだった。

令和3年10月28日


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