鈍る皮膚感覚。
前回noteでは、【疲】という漢字について、
白川静先生の『常用字解(第二版)』によれば、
「疲れるの意味の字には
病(へい)・罷(はい)・憊(はい)など、
同じ系統の音を用いているのは、
荒い呼吸をすることと関係があろう。」
とのことでして。おそらくは、
【疲】の中に【皮(ひ)】が入っているのも、
白川先生おっしゃるような、疲れているときの
「ひぃひぃ」言うような呼吸の音なのでしょう。
って考えつつも、たとえば、
疲れているときには、
感覚のセンサーが鈍る。
というのも聞いたことあるけれども。
たとえて言えば、ふだんのときならば、
できるような気遣いみたいなことが、
疲れているときには
じぶん自身のセンサーが鈍ってしまって、
それも、できにくくなってしまう。
そういうことって、
あると思うんですが。
じぶん自身の「センサー」ってえのもさ、
じぶんが「気持ち」的に感じられる
感覚もあると思うし。はたまた、
「第六感」的なのもあるやもしれないし。
あとは「皮膚感覚」という語句もあるけれども、
皮膚から世界を感じ取る、みたいなことも
あると思うのよね。
そんなような「皮膚」というのを考えてみれば、
疲れているときには、
「ひぃひぃ」と荒い呼吸をしながら、さらには、
皮膚の感覚が閉じてしまう。
つまりはさ、「やまいだれ」の中に
「皮膚」が閉じ込められる。
みたいなイメージをすれば、
なんだか強引な解釈かもしれないけど、
【疲】の字に【皮】が入っているのも、
どことなくわかるような気もするやもしれない。
って考えたの。
ぼくと世界との境界線とも言える
大事な「皮膚」を、この手で、
傷つけるかのごとく掻き毟らずに、
やさしく、撫でてあげたい。
「皮膚感覚」という語句でねぇ、
ぼくが思い出すのは、
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの
『ブラックアウト』という曲だなあ〜。
冬の雪原に茹だる炎天下
鈍る皮膚感覚 僕を忘れないでよ
令和3年7月14日