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うやうやしく霊所で拝む姿。

さくじつのブログでは、
「女偏」の漢字について書いたけれども。
それからさらに「女偏」で思いついた字は、
「女偏」に「至」と書いて【姪】、
「女偏」に「市」と書いて【姉】、
「女偏」に「未」と書いて【妹】、
「女偏」に「㐮」と書いて【嬢】、
「女偏」に「方」と書いて【妨げる】、
「女偏」に「弱」と書いて【嫋やか】、
「女偏」に「呉」と書いて「娯楽」の【娯】、
「女偏」に「因」と書いて「婚姻」の【姻】、そして、
「婦人」の【婦】、「婉曲」の【婉】、「愛媛県」の【媛】、
下に置かれる形としては【妻】や【妾】や【安】や、
「妄想」の【妄】、という漢字なのですが。

そもそも、この
【女】という字の形とは、
男性のじぶんから思うのは、やっぱり、
あでやか、と申しますか、
つややか、と申しますか、
なまめかしい、と申しますか、
やわらかくて、しなやかで、凛としている。
という印象があるなあ。

そして、【女】の字をね、
いつもの如く、白川静先生の
『常用字解[第二版]』で調べてみますと、、、

【女】 ジョ(ヂョ)・ニョ・ニョウ/おんな・め・むすめ・めあわす・なんじ
象形。ひざまずいている女の人の形。手を前で重ねて、うやうやしく霊所を拝んでいる形である。甲骨文字には小点を加えた字(甲骨2)があるが、それは女を酒で清めはらっている形であり、神霊に仕えるときの女の姿であることが知られる。跪いているのは女が男の前で跪いているのであり、女の字には女子が男子に隷属させられていた男尊女卑の時代の思想が反映されているのであるという解釈は誤っている。祖先の霊を祭っているみたまやの中に座っている女(安)には、すそに霊を乗り移らせる衣を小さい線で示し、霊の授受を示す形がある。(後略)

女性が、手を前で重ねて、跪きながら、
うやうやしく霊所で拝む姿。
そして、その「跪く」とは言っても、
男の前で、つまり、隷属させられるような、
男尊女卑の思想だ、という解釈は間違っている。
とのことでして。

ぼくは、この【女】の漢字を見るからに
「男に隷属させられる」
というイメージは感じてなかったけれど。
でも、そういう解釈もあり得て、そして、
そうじゃあなかった。

白川先生の漢字のご説明としては、幾度か、
巫女さんのような存在が、神の前で祈る。
という説明が記されていて。
この【女】という漢字も、そういうような
「祈り」の形なのだなあー。

こう、なんとゆうか、そう考えてみれば、
白川先生のおっしゃる
「裾に霊を乗り移らせる衣」という表現も合わせながら、
これはさくじつでも書いたのですが、
「女性性」というものに対しては、
さらに、神秘性も感じられる。

令和3年11月14日


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