虎文と鬣と角と冠飾りと神聖な獣。
さいきんのブログでは、漢字のことを調べてみる
「リッシンベン調査団」のシリーズにて、
【虜】と【慮】と【膚】という漢字について
書いていたのですが。
そのブログを書くためネット検索していたら、
これらの字の部首はさ、
「とらがしら」と呼ばれるらしい。
そうなんだあ、ぼくは、知らなかったっすー。
たしかに、そう言われてみれば、
【虎】という字もね、
【虜】や【慮】や【膚】とおんなじ形が
上に乗っていた。
ともなってくれば、ここでやっぱり、
じぶんの興味的には、
【虎】という漢字も調べてみたくなってくる。
なのでいつものごとし、白川静先生の
『常用字解[第二版]』を紐解きますと、、
【虎】 コ/とら
象形。とらの形。ネコ科の猛獣の「とら」をいう。虎は虎文(とらの皮の模様)に特徴がある動物であるから、甲骨文字では虎文のある姿に書かれている。馬や鹿もうまやしかの形を描いた象形の字で、全体の姿を写した中にそれぞれの特徴である鬣と立派な角の形を加えている。甲骨文字には、鳳(ほうおう)・竜と同じように、虎にも頭上に冠飾りが加えられている字(甲骨1)があるが、いずれも神聖な鳥や獣とみられていたのであろう。楚の国では虎を於兎といった。(後略)
つまりはさ、動物の「とら」の形が、
漢字の字形となった。
「とら」は、「虎文」と呼ばれる
皮の模様に特徴があるので、甲骨文字では、
この模様の姿として書かれる。また、
【馬】や【鹿】もその動物の姿が描かれた字で、
その特徴である「たてがみ」や「角」が加えられている。
たしか、以前の何かの漢字の中でも
ブログで書いたやもしれないですが、
「たてがみ」って、漢字では
「鬣」と記すのね。むつかしい字!
「髪」や「髭」と同じ部首?なのねー。
さらには、
【鳳】や【竜】と同じように、【虎】にも、
頭の上に「冠飾り」が加えられていることから、
神聖な獣として見られていたと考えられる。
こんかい、この【虎】の甲骨文字をね、
書き写してみて、形的には、
かなりむつかしくって。
また、でも、形がかわいくて、
かつ、強そう。というか。
「虎文」と呼ばれる模様が複雑で、
そして、けれども、その複雑さの中に、
どことなく聖なる雰囲気を想いました。
これを言ったら、鬼も笑うだろうけれど、
来年は寅年なので、そんな、
神聖な「とら」にあやかれたら。
って、【虎】の甲骨文字を描き写しながら、
思っていたのよねー。
令和3年11月18日