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贈り物を相手に届けるスポーツ。

サッカーとは、
贈り物を相手に届けるスポーツだ、
というのを聞いたことがあるのですが。

つまりはさ、
ボールを「贈り物」と見立てて、
その贈り物を相手のゴールへと放ち、
ゴールの中に入れば点数が入る、というときに、
ここで肝になってくるのはさ、
「ゴールの中に入れば点数が入る」という
サッカーのルールにおいて、その
ゴールへと入れようとするのが
「自分のゴール」ではなくって、
「相手のゴール」ということだと思うの。

もしも、サッカーが、
「自分のゴール」にボールを入れたら、
点数が入る、というルールだったら、いかにして
自分のチームのゴールキーパーにボールを渡して、
ゴールキーパーがそのすぐうしろにあるゴールに
ボールを入れる、という動きに変わる、
のだと思いますが。でも、実際は
そういうふうにはなっていなくって、
「相手のゴール」に入れば点数が入る、
というルールになっている。

これって、でも、
よくよく考えれば、不思議だ。

どちらかと言えば、いかにして
「自分のゴール」にボールを集めるか?
のほうがさ、たとえば、
運動会の「玉入れ」みたいに、
わかりやすいとも思うんだけれども。
そうではなくって、いかにして
「相手のゴール」にボールを持ってゆくか?
ということなのだから。
起源的には、どのようにして
このようなルールになったか、とかも、
ちょっと気になるけど。それでも、なんだか、
「贈り物を相手に届ける」
という解釈をすれば、そのことも、
わかりそうなふしもある、と申しますか。

仮に、サッカーが、このような
「贈り物を相手に届ける」
なのだとすれば、たとえば、
点数が入ったときには、
「じぶんたちは相手に贈り物を届けたぞ!」
と思って、盛り上がるし。その反対に、
点数を入れられたときには、
「じぶんたちのほうが先に贈り物を届けたかったのに!」
と思って、悔しがる。

どちらのチームにおいても、いかにして
この「ボール」という贈り物を、
相手のゴールへと届けるか?!
を思われながら、攻防する、ってえのは、
ちょっと、なんだか、
よい雰囲気でもあるなあ、と思ったのよね。

令和4年11月30日