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呪術を行う巫女が操作する霊の作用によって。

【夢】という漢字は、
「くさかんむり」に、「目」が横になった形と
「ワ」と「夕」がぶら下がっているような、
どことなく、ふわふわ、ぷかぷか、
空に浮いているみたいだ。

漢字のバランスとしては、一番下の
「夕」のところが斜めになっているので、
床に置いたら、ころんと、
漢字が寝てしまいそうだ。

そんなような【夢】とは、
いかなる漢字なのだろうか? と思いながら、
今回もまた、白川静先生の
『常用字解[第二版]』を紐解いてみたい。。。

【夢】 ム・ボウ/ゆめ・ゆめみる
会意。かんと夕とを組み合わせた形。萈はまゆを太く大きく描いた巫女ふじょ(神に仕える女)が座っている形。祖先を祭るみたまやの中で、その巫女がお祈りしている形が寛である。夢は睡眠中に深層心理的な作用としてあらわれるものとされるが、古くは呪術を行う巫女が操作する霊の作用によって夜(夕)の睡眠中にあらわれるものとされた。それで夢は「ゆめ、ゆめみる」の意味となる。[周礼しゅらい、春官]には占夢の職があり、夢の判断をした。また年末には、一年間の夢を調べ、堂贈どうそうという鬼やらいの儀礼を行い、夢送りの行事をしてその年の悪夢をはらった。高貴の人が死ぬことをこう(しぬ)というが、薨とは夢魔むまによって死ぬことで、高貴の人には夢魔の危険が多かったのであろう。

まずはさ、この最初に登場する【萈】は、
もしかしたら機種依存の字かもしれないのですが、
その字とは、
眉を太く描いた巫女が座っている形で、
みたまやの中で巫女がお祈りしているのが、
【寛】という漢字である。とのこと。そして、
呪術を行う巫女が操作する霊の作用によって、
夜(夕)の睡眠中にあらわれるものが
【夢】である。とのこと。だから、
【夢】には【夕】が入っているのねー。

儒教経典の一つである[周礼]には、
占夢の職が書かれていて、
【夢】の判断をされていた。また、
年末には、一年間の【夢】を調べて
「堂贈」という儀礼をおこない、
夢送りの行事をすることによって、
その年の「悪夢」を祓ったこと。さらには、
【夢】の【夕】が【死】に変わっている
【薨】という字は、
高貴の人が死ぬことを言うらしいですが、
【薨】とは「夢魔」によって死ぬことを言い、
つまり、高貴の人には、
「夢魔」の危険が多かった。
と、白川先生はおっしゃいます。

悪夢、夢魔、
おそろしい。
「堂贈」と言われる
鬼やらいの儀礼というのが、
どういうものかはわからないけれど、
どうか、祓いたい。。。

よい【夢】を、見たい〜。

令和4年2月13日


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