藝2

「藝」の字。

前回noteのつづきです。)

糸井重里さん×古賀文建さんの対談のなかで、糸井さんが「『人がひざまずいて、植物を育てている』という象形文字から『藝』という漢字ができていったらしい。」とおっしゃっていて。

ぼくは、これを読んで、じぶんの持っている白川静さんの『常用字解[第二版]』で「藝」の字を引いてみましたっす。

これまたすこし長いんですが、『常用字解』より引用を申しあげます。。。

芸(藝) ゲイ うえる
会意。もとの字は藝に作り、音符は埶(げい)。(註:「埶」はコンピュータによっては表示されないかもしれません。)古い字型には苗木を両手で捧(ささ)げ持つ形や苗木を土に植え込む形、木の下に土を加えて苗木を土に植えるという意味をより明確にした【げい(註:変換できない漢字。左上に「木」、左下に「土」、右に「月」の字の右下を右側にはねる。)】の字があり、もとは埶の部分だけの字で、会意の字であった。【げい】が正しい形であるが、早くから埶の形になったようである。埶は草木を「うえる」の意味であった。草木に関することであるから草かんむりを付けて蓺(げい)となり、のちに云(うん)を加えて藝の字となった。今の常用漢字はうえることを示す埶を省略して芸の字型にしているが、よく似た形の【うん(註:こちらも変換できない漢字。くさかんむりが「十 十」のようにふたつに分かれる。】(くさぎる)という別の字がある。芸は「わざ、技芸」の意味にも使う。

‥‥とございまして。

たしかに、「苗木を両手で捧げ持つ」や「苗木を土に植え込む」とあるなあ。また、漢字としても、現在の「芸」の形になるまでにいろいろ変遷があるんだなあ。

そして。

せっかくですので『字解』に掲載されている甲骨文字を、じぶんで書いてみた。

まずは、「苗木を両手で捧げ持つ形」という「甲骨1」は、

画像1

↑こんな感じでぇ。

また、「苗木を植え込む形」という「甲骨2」は、

画像2

↑こんな感じ。

これらが「埶」となり、さらには、「藝」や「芸」になっていったのねぇ。

なんだか、形を見てみると、「苗木」のぶぶんを「大事にしている」ようなふんいきがある。

それから、もういっぽうの「教」の字のほうも引いてみますと… ってゆうのは次回noteで申しあげます〜。

平成30年6月15日


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