アダプトタワーをめぐる冒険と鳥と凪。
サカナクションの生配信ライブ
『SAKANAQUARIUM【アダプト】ONLINE』、
公開日当日の鑑賞に引きつづきまして、
アーカイブでも鑑賞いたしました。
すばらしかったー。
何がすばらしかったかと申しあげますのも、
ことばではっきりとは言えがたいけれども、
つまりは、あらかじめ発表されておりました
「アダプトタワー」という
大きな大きな構造物の内外で繰り広げられる
「演劇×MV×ライブ」のステージが、
画面を観ながら、音楽を聴きながら、
次はどうなるか?! って、ライブ中、
わくわくしっぱなしだった〜。
昨年の『SAKANAQUARIUM 光 ONLINE』では、
コロナ下におけるフェスティバルのようだった
配信ライブが、今回『【アダプト】ONLINE』では、
もう、なんとゆうか、
アダプトタワーをめぐる冒険であり、そして、
このパンデミックの日々における旅路、
と申しあげますか。
いろいろな光景を感じながら、
観終わったあとには、なんだか、
これまであんまり味わったことがない、
楽しげな興奮を想っていたなあー。
コンセプトとして掲げられていた
「演劇×MV×ライブ」ということばの、とくには、
「演劇」について考えると、
ライブ前半は、建設されたアダプトタワーが
舞台となっていたのが、後半からは、
アダプトタワーの舞台を飛び出して、
その前方に設置されたステージにて
演奏されるようになって、そして、
アダプトタワーが背景セットに変わる、というのが、
視覚的におもしろくって。
遠近法なのか、その原理はよくわからないけど、
ライブ後半から、画面を観ているぼくと、
演奏されているメンバーとの距離が、
とっても近いように感じられて。
それは、なんだか、不思議だったなあ。
セットリストではさ、
初披露となった5曲の新曲、すばらしかったし、
その他の曲もよかったな。
それらのなかでもね、ライブ1曲めの
『multiple exposure』、素敵でした。
ベストアルバム『魚図鑑』のブックレットによれば、
この『multiple exposure』という曲は、
「原爆」の歌であり、そして、
歌詞に登場する「花火」と
原爆の「キノコ雲」が対比されながら、
非現実と現実の間を行き来する、かのような。そしてまた、
「そう生きづらい そう生きづらいから祈った」
という歌詞の歌は、どこか、この
パンデミックの世界を表しているようにも感じられて。
そういうようなこの曲から、ライブがスタートする、
という流れがすばらしかったです。
そこから、どんどん、
めまぐるしく変化してゆく映像と、音楽と、
ライブの2時間、たのしかったなあー。
鳥と凪 遠くで花火が光った
光った
令和3年11月28日