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農地の管理者と【男】爵。

前々回noteでは、「女偏」および
「男」の形が入った漢字のことについて、
そして前回noteでは、さらに、
【女】という漢字のことを書きましたが。
この流れでね、今回は、
【男】という漢字について調べてみたいー。

なので、いつものごとし、
白川静先生の『常用字解[第二版]』を、
ひもときます。。。

【男】 ダン・ナン/おとこ
会意。田とリョクとを組み合わせた形。力はすきの形。農地(田)と農具の耒とを組み合わせて、耕作のことを示すが、古くは農地の管理者を男といった。のち五等の爵(公爵・候爵・伯爵・子爵・男爵)のひとつに用いる。[詩経しきょう]には「おとこ」の意味に多く士を用いるが、これは戦士階層についていう。

田んぼの
【田】と、農具の「耒」の形である
【力】を組み合わせて、
【男】の字になった。
【男】とは「耕作」のことを示すが、
かつてには、農地の管理者を
【男】と言った。のちに、
五等の爵のひとつに用いた。

という、この「五等の爵」とは、
『日本国語大辞典(精選版)』によれば、、

爵位しゃくい
古代中国で、諸侯・臣僚の身分。くらい。
諸侯に公・候・伯・子・男の五等、
臣僚に卿・大夫・士の三等がある。
諸侯しょこう
古代中国で、天子から封土を受け、
その封土内の人民を支配していた人。
天子てんし
天に代わって国を統治するもの。
天の命により国民を統べるもの。
帝王。天皇。
封土ほうど
諸侯や大名が、主君から領地権を与えられて支配する土地。

‥‥とのことなので、つまりはさ、
古代中国にて、国の統治者から
領地権を与えられた「諸侯」の五つの位として、
「公・候・伯・子・男」があって。
そのうちのひとつの位の「男爵」で、
【男】の字が用いられた。
ということでしょうか。

そういえば、前回noteでは、
前々回を書いてから思いついた
「女偏」の漢字を追加で書いてみたけど。
逆に、「男」の形が入っている漢字ってえのは、
前々回に書いたいくつか以外は、全く思いつかないな。

ほかに、どんな漢字があったっけ???

それらの中の【虜】という字をね、
白川先生の『常用字解』で調べれば、、

説文せつもん]七上に「たるものなり」とあって、捕虜(戦場で敵に捕らえられた人。とりこ)の意味とする。[詩経しきょう、大雅、常武じようぶ]は淮夷わいい(南方にいた部族の名)を討つことを歌う詩で、「しきり醜虜しうりよ(えびすども。捕虜)をとらふ」と歌う。

‥‥とのことで、用語がさ、
たくさん出てきてむつかしいけど。
【虜】とは、感情的って言うよりも、
支配的というか、戦争的というか、
そういうような漢字だったのね。

Mr.Children好きのじぶんとしては、
「虜」と言えば、アルバム『深海』収録の
『虜』だなあ〜。

虜となって 天国へと 昇ろうか

令和3年11月15日


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