永年に。
墾田永年私財法が743年に発布されたことは、
レキシ feat.田ンボマスターの
『墾田永年私財法』という歌で覚えている。
こんでんえいねんしざいほぉう
ななひゃあく よんじゅさんねぇん♪
墾田永年私財法とは、
開墾した田んぼが永年に私財となる、
という法律ですが。
永年に、つまり、永遠に、ということは、
そのころ開墾されて私財となった土地は、
それから1279年経った現在では、
どうなっているのでしょうか。
墾田永年私財法発布の20年前、
723年、三世一身法が発布された。
三世一身法とは、
開墾者より三世代までの墾田私有を認める、
という法律ですが。
そのころ、人口増加に伴い食力不足となり、
墾田私有を認めることによって、
農民を使い、新たに土地を開墾させる、
という意図で法律が出されたらしいけれど。
当初はたくさんの土地が開墾されたとしても、
三世代まで、とすれば、その期限が来れば
開墾した土地は取り上げられてしまうので、
だんだん、農民たちも
開墾を行わなくなってしまった。
そこで、三世代ではなく、永年に、というような、
墾田永年私財法が発布された。
その後、墾田永年私財法で開墾された土地は、
荘園の基礎となり、そして、
荘園は、墾田永年私財法発布より
約800年後の16世紀末ごろ、
豊臣秀吉による太閤検地によって、消滅した。
つまりは、
墾田永年私財法における「永年」とは、
ほんとうの意味での永年ではなかった。
墾田永年私財法を発布したとされる聖武天皇も、
未来には、豊臣秀吉が登場することを
予測できなかった。と言えるやもしれない。
そもそもを考えてみれば、
「土地を所有する」とは、
どういうことだろう? ってゆうのも、
あんまり、わからないな。
じぶんひとりだけが、勝手に、
「この土地は俺のものだ!」
と言っているだけでは、
所有していることにならなくって。
国家的な人がその所有を認めることによって、
土地を所有できるようになる。
その土地へと、
他者が侵入されようとするときには、
所有者と侵入者が争うこともあるだろうし。
また、所有を認めた国家的な人によって、
侵入者が裁かれることもある。
ともすれば、
土地の所有を認めた国家は、
侵入者の警備とか、侵入者への裁きとか、
住民同士による争いをおさめるとか、
土地の登録とか、登記とか、相続とか、
という仕事も増えることになるなあー。
ってゆうよりもね、
そういうような、つまりはさ、
「国家」とは、何か?
というのも、よくよく考えれば、
あんまりわからない。
国家とは、だれが、どのようして、
担うんだろうか???
そしてまた、国家も、
国家の所有する土地をめぐっては、
他の国家と争うこともあり、
ときには、国と国との境界線である国境が
壊されてしまうこともある。
今現在成り立っている制度は、
簡単には変えられないし、はたまた、
恩恵を受けている部分もあると思うので、
その制度が存在することは、
しょうがない、としても、でも、
平和とは、自由とは、何か。
国家とは、家族とは、何か。
というのも、思えば、よくわからないな。
鍬を持つ その両手も
自ずと(自ずと)力が入るでしょ それが
墾田永年私財法 743年 永遠に 永遠に 永遠に〜
令和4年3月28日