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祖先の霊の安寧を求める儀礼。

毎月13日は、漢字のことをしらべたりする
「リッシンベン調査団」とゆうのをブログ書く。
っていうのはね、もうなんだか、
じぶんに課しとるところもあって。
ぼくは、つぎは何の漢字をしらべたいんだろう?
ってえのを、いつも考えてるんだけれども。

こんかいは、どうしよう??? と思いながら、
たとえば、この数か月よく言われる
「三密」の【密】の漢字ってば、
「うかんむり」に「必」と「山」が組み合わさっていて、
どことなく不思議なふんいきがするなあ。
と思ったもんで、しらべてみたいー。

こんかいもいつもの如く、
白川静先生の『常用字解(第二版)』を
紐解いてみますと、、、

【密】 ミツ/ひそか・やすらか・こまかい
宀(べん)と必と火とを組み合わせた形。宀は祖先の霊を祭る廟(みたまや)の屋根の形。必は兵器の戈(ほこ)や鉞(まさかり)の頭部を柄(え)に装着する部分の形であるが、密の金文の字形では戈。廟の中に戈を呪器(じゅき)として置き、火を加えて祓(はら)い清め、祖先の霊の安寧(やすらかであること)を求める儀礼を密という。その儀礼は秘儀としてひそかに、厳(おごそ)かに行われたので、「ひそか、やすらか、こまかい」の意味となる。(後略)

‥‥とのことで。

まずはさ、【密】の下につく「山」の形、
元は「火」だったみたいね。
「みたまや」の建物の中にて、この「火」を
呪器である「戈」に加えることで祓い清められ、
祖先の安寧を求める儀礼を、【密】。

【密】です!

この、儀礼である【密】とは、
ひそかにおごそかにおこなわれたので、
「ひそか、やすらか、こまかい」の意味となる。

【密】の用例には、
「密儀」「密議」「密告」「密使」「密談」
「密約」「機密」「厳密」「細密」「内密」
という熟語が『常用字解』に掲載されていて。
いわゆる「三密」の
「密閉」「密集」「密接」は載っていないけど。
その三つとも、ある意味では
「ひそか」な感じがする。

家の中で、「安寧」を、求めたい。。。

そして、
【密】と言えば、もうひとつ。
下側の「山」の部分が「虫」になっている
【蜜】のほうもこのごろ気になって。
同じく白川静先生の『常用字解』でしらべてみれば、、

そこで掲載されている【蜜】の正字が、
コンピュータで変換できない漢字で。
しかも、なんだかとっても難しい形で、
ここには記せないんですが。
(上は「鼎」の字、下に「虫」がふたつ横に並ぶ形。)
その【蜜】の正字は、
「養蜂箱に蜜蜂が密集する意味」を示した形で。
そしてまた、
【蜜】は食用でありながら、
古くは死者をひたしてミイラを作るときにも使用され、
「蜜人」は、ミイラの異称である。

‥‥とのことでして。

「蜜蝋」というのもあるけど、
その「蜜蝋」と関係しているかはわからないけど、
ミイラをつくるときにもつかわれた【蜜】って、
なんだか、すごい。

蜜蜂が「【密】集」してつくられた
甘い【蜜】を、舐めたいの。

舐めながら、やっぱり、
家の中で安寧を求めたいの。

令和2年5月13日


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