表紙20

其の百三 たちつてと

《吉本隆明さんの講演『芸術言語論 −沈黙から芸術まで』(平成20年7月19日@昭和女子大学人見記念講堂)を、ぼくが毎回ほんのちょっとずつ聞いてゆきながら、あらためてどんなおはなしだったのかを思いかえしてまいります。》

こんにちぃわ。こぉえん、きくぅー!!

前回noteでは、「母音以外の音は、三つに区別されます。ひとつは、例えば『かきくけこ』という子音はどういうふうにできているか? って言うと『かきくけこ』の『く』を、三列音と言います。三列音を一番最初に持って来て、『あ』とか『い』とか、母音を繋げればいいんです。『く』を一番最初に持って来て、母音を付ければいいわけです。『くあ』。『くあ』を早口に言えば『か』になります。『き』は三列音に『い』を繋げれば『くい』、だから『き』になります。」と吉本さんおっしゃるばめんでした。

つづぅきです。。。

つまり、この子音(しおん)というのは、母音(ぼおん)と…。三列音を先頭にして母音を加えれば、もう全部、か行音は全部できます。(チャプター14 / 第三列音を中心とした日本語の音_3:29〜)

「子音は、三列音をあたまにして母音を加えれば、『か行音』はできます。」

それで、大抵はそれで。大抵の音はそれでできています、五十音というのは。そういうことはすぐわかります。

「五十音のたいていの音は、それでできています。」

それで特別なのは、た行音です。

「とくべつなのは『た行音』です。」

た行音というのは、それでやっても…。そういうふうにやっても、えーと。うまく行かないんです、分別するのは。

「『た行音』は、そのようにやっても音の分別がうまくいかないのです。」

た行音だけは、あの。最後の「たちつてと」の「と」。「と」を先頭に持って来ればいいんです。

「『た行音』だけは、『たちつてと』の最後の『と』を先頭に持ってくればいいんです。」

つまり、最後の第五行音を先頭に持って来て、「とあ」。とすれば、た行音になります。つまり「とあ」です。

「第五行音をあたまにして『とあ』とすれば、」

それ…。これを、これをもう少し縮小すれば…。縮小音にすれば、あの。た行音ができます。これ…。これはた行音だから最後の「と」、「と」を先頭にしないとそういうふうになりません。

「これを縮小音にすれば『た行音』ができます。『た行』の場合は、第五行音である『と』を先頭にしなければそういう音にはなりません。」

ぜんかい聞きました「か行」の音のつくりかたもさ、おもしろかったけれど。こんかいの『「た行」はとくべつ』ってぇのもなんだかおもしろい! んじゃあ、このつづきは次回noteで〜。そとの空気がかんぜんに冬のにおい。。。

平成28年11月25日



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