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結び目の【糸】がほどけるかのごとく。

ぼくの住むところでは、このごろは
すこし寒さもやわらいできたけど。
でも、やっぱり、まだまだ寒いー。

この冬はさ、例年以上に、
寒さが厳しかったように感じられるし。
はたまた、冬の期間が、
すんごい長いようにも感じる。
言ってみれば、昨年、真夏は超暑かったけれども、
でも、季節の移り変わりが、
あんまりわからない年だったから。
もう、かれこれ一年ぐらい、
冬が続いている。とも思えちゃう?!

ただ、春を待っている。。。。。

‥‥という気分ですので、
毎月13日に更新している
今月の「リッシンベン調査団」で調べる漢字は、
【春】にしたい!!!

と思いきや、昨年の4月にね、
すでに【春】について調べていて。なので、
今月はどうしようかなあ? と考えながら、、
白川静先生の『常用字解(第二版)』によれば、
【春】の漢字は、
「くさかんむり」の下に【屯】と【日】を置いた
【萅(しゅん)】という字がもとになっている。
とのことなのですが。
この【屯】とは、
織り物の縁の糸を結んだ「房飾り」の形であり、
【春】の漢字の場合には、
「寒い冬の間、閉じ込めた草の根」という意味になる。
とのことでして。ちなみにね、
【冬】という字は、
「編み糸の末端を結びとめた形」。

【春】も、そして、【冬】も、
どちらも「糸」が関連している。
ということなので、こんかいはさ、
この【糸】という漢字を調べてみたい〜。

【糸】 シ/いと・きいと
もとの字は絲に作り、糸(べき)を二つ組み合わせた形。糸(べき)は糸たばの形。[説文]十三上に「蠶(かひこ)の吐(は)く所なり」とあり、「生糸(きいと/絹糸(きぬいと))」をいう。また絹以外の「いと」の意味にも用いる。養蚕は古くから行われ、甲骨文に蚕示(さんじ/蚕の神)を祀(まつ)ることがしるされている。

白川先生の『常用字解』によれば、
【糸】は、
「糸たば」の形である【糸(べき)】を
ふたつ組み合わせた【絲】がもとの字。

そういえば、【糸】もね、
不思議な形なのですが。
「糸」が「たば」になっているのが、
【糸】という漢字だとすれば、なんだか、
こういう形になっているのも
すこしわかる気もする。
「糸」同士が、ふくざつに絡みあっている形、
と申しますか。。。

虫の「かいこ」が、【蚕】以外で
【蠶】という漢字があるのは知らなかった。
【蠢(うごめ)く】と同様に、
「虫」がふたつ並んでいるのは、
インパクトすごい!!

養蚕は古くから行われていて、
甲骨文でも、蚕の神様である
「蚕示」がしるされている。とのことでして。
甲骨文字って、殷の時代のものらしいから、
Wikipediaによれば、殷は、
紀元前17世紀頃から紀元前1046年まで、なので、
ながーい「糸」も、おそらく、
そういう大昔からあったのだろう。

あらためて、
漢字の歴史と文明を感じる〜。

また、たとえば、
【結ぶ】とか、【続く】とか、
【線】とか、【縁】とか、【純】とか、
とゆう「いとへん」の漢字もね、
どことなくドラマ性があるような感じで、
すきなのよねえー。

【冬】の季節が、
編み糸の末端がとめられたごとく、
終わりをむかえて、
そのあいだ閉じ込められていた草の根が
ひょこんと飛び出すように、
こんがらがった結び目の
【糸】がほどけてゆくかのごとく、
【春】がおとずれますように。

令和3年2月13日


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