巫女さんが長髪をなびかせお祈りをする形。
前回noteでは、【如】という漢字を
白川静先生の『常用字解(第二版)』で調べながら、
この【如】のご説明の最後には
「【如】は【若】と構造が似ている。」
と出ておりましたので。こんかいは、
【若】という漢字も引いてみようと思ったのよね。
引いてみればすこし長いご説明でしたので、
すこしずつ引用をいたしますが。
まずは、、
【若】 ジャク・ニャク わかい・もしくは・したがう・なんじ
巫女(ふじょ:神に仕えて神のお告げを伝える女。みこ)が長髪をなびかせ、両手をあげて舞いながら神に祈り、神託(神のお告げ)を求めている形。
‥‥という、巫女さんが長い髪をなびかせながら、
神様にお祈りをする形。
とのことでして。そして、、
のちに神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の「さい(口)」を加え、祝詞を唱えて祈ることを示す。
ここでの「さい(口)」とは、
この『常用字解』の表紙デザインにもなっております、、
「口」という漢字の左右両側の上部が
ちょっと突き出しているような形のこと。
この「さい」という形がね、
いろいろな漢字の中にも登場しておりまして。
おそらく、あらゆる漢字の基本形のようにもぞんじます。
そして、、
ふりかざした両手の形が、今の字形では草かんむりの形になっている。
巫女さんが神様へ祈るさいに、
舞いながら両手をふりかざす形が
「草かんむり」の字形になっている。
‥‥というのは、そうなんだあ、と思いました。
これらを合わせますと、つまり、
当初には「草かんむり」と「ナ」の形があり、
そこへ「口」が加えられた。ということかなぁ???
そして、、
神託を求めて祈る巫女に神が乗り移って神意が伝えられ、うっとりした状態にあることを示すのが若である。
巫女さんに神様が乗り移って
「うっとり」とした状態を示すのが、
【若】の形。とゆうのは、ぼくとしては、
なんだかどことなくエロスを感じてしまいます。。。
伝えられた神意をそのまま伝達することを「若(かく)のごとし」といい、神意に従うことから、「したがう」の意味となる。
「かくのごとし」であり。
「したがう」であり。
という、ここで【如し】が登場している。
また、
神託を求める巫女が若い巫女であったので、「わかい」の意味にも用いられるようになったのであろう。
神様のお告げを求める巫女さんが
「若い巫女さん」だったので、
「わかい」の意味になった。
‥‥というここのところを読んでいたらね、
ぼくは、なんだか、
伊丹十三監督映画『大病人』の最後のほうのシーンにて、
死ぬ間際の主人公「大病人」がふと見かける
「自転車に乗る若い女性」のことを思い出したの。
あのシーン、とってもすてきだったな。
伊丹さんの監督の映画、
また、いろいろ観返したいなあ。。。
女・如・而(じ)などと通用して「なんじ、もしくは、もし」の意味にも用いる。女と口(さい)とを組み合わせた如は、祝詞を唱えている巫女の姿で、若と字の構造が似ている。
ここのところはよくはわからないのですが、
【若】という漢字は、
「なんじ」や「若(も)しくは」とも読めるからねえ。
‥‥と、このようにして、
【若】という漢字には大きな大きなストーリーがあるなあ。
と想いました。それにしてもさ、
こんかいの【若】の甲骨文字は、形がけっこう複雑で、
書き写すのがとってもむつかしかったな。
令和元年10月31日
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