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本州と島と島国と国境の感覚。

ぼくがパート講師として勤める学習塾にて、
中学生の地理のテキストの中では、
白地図を見て「日本列島」の主な島を答える、
という問いにね、たとえば、
「北海道」は答えられたとしても、
ぼく及び生徒さんたちも住んでいるこの
「本州」の名称が答えられない生徒さんが、
たびたびおられて。
そういうときにね、講師であるぼくとしては、
「日本って、島国じゃん?
ぼくらが住んでいるところも島なんだけど、
この島は、なんと言う島なのかわかる?」
って訊ねると、
「えっ、ここも島なの?!」
というような返答をなされることもあって。

でも、なんだか、この生徒さんのように
「えっ、ここも島なの?!」
と思うような気持ちって、
ぼくもちょっとわかる、というか。

ぼくは、これまで
本州以外の土地で暮らしたことがない。
なので、たとえば、
「○○島」という島で暮らす方々、そして、
北海道、四国、九州で暮らす方々の気持ちは、
ぼくはわかってない、とは思っているのですが。
でも、やはり、おそらく、
島で暮らしているという感覚は、
持っておられるのではないか、と推察いたします。
では、ぼくも住んでいるこの
「本州」の場合では、
島と言えば島ではあるけれど、
島としてはけっこう大きめなので、
島で暮らしている感覚は、
それほど持っていない、と思われるの。

かと言って、でも、
「大陸」だとも思っていない。

このことで思うのはさ、今、
ほぼ日刊イトイ新聞で連載されております、
『未来のぼくらが戦争を起こさないための、地政学。』にて、
国際政治記者・田中孝幸さんのお話しでは、
国外へ出るとき、ほとんどの国では
国境を陸上で渡るけれど、
日本の場合は空港へ行く、というような、
海外とは、飛行機や船で行くもの。
そんな日本のごとく、
「海外」と「外国」が同じ意味で使われる国って、
本当にラッキーなことで、そして、
島国であるということに、恩恵がある。
とのようにおっしゃっていたのですが。(第3回より。)

そういう「恩恵」について、
ぼくは実感として、きちんとは
感じられていないとはぞんじますが。
でも、たとえば、ぼくは、
車、もしくは、徒歩で、
国境を渡ったこともないし、そして、
国と国とが、陸上で、
国境線として接している、というのは、
どのような感覚なのか? ってえのも、
うまく想像できない。

さらに考えてみれば、
国境とは、そして、
国とは、つまり、国家とは、
なんなのだろう??? ってえのもね、
よくわからないと言えばよくわからないな。

でも、そんな、ぼくには
よくわからないなりにも、
この地球上では、
そういう「線」が引かれているんだ。

令和4年10月18日


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