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ある状態からある状態へと変態するときには。

昆虫は、幼虫からさなぎへと成るけれども、
そのさなぎの中身はどろどろなのだそうで。
本当は、神経、呼吸器系、消化管などをふくめて
完全などろどろではないらしいけど、
つまり、さなぎの形が、その昆虫の
「鋳型」のようになっている。

卵から生まれた昆虫は、まずは
幼虫として生まれ、そして
さなぎを経て成虫へと変態する。
そんなような、いわゆる
二度、生まれる、みたいなことをしなくても、
卵からいきなり成虫の形でよいじゃん、
とも思ったりもしつつ、でも、
昆虫はそうもゆかないんだろう。
たとえば、人間やその他の生物は
産まれたばかりの状態と大人に成った状態とでは、
身体の大きさや見た目はちがえども、
さなぎのようには成らないのだから、それがつまり
昆虫の大きな特徴なのでしょう。
そして、昆虫のさなぎの中身が
どろどろであるとするならば、
さなぎを割ってその中を見ようとするのは、
だめ、というか、しんでしまうだろう。。。

生物学上、人間は
さなぎには成らないとしても、
さなぎに近い状態に成ることがある、と思う。

ひきこもりとは、さなぎの状態である、
というふうにもよく言われると思うけれども。
ある状態からある状態へと変態するときには、
「さなぎ」のような期間を経なければ
変態できなくって、その状態がいわゆる
「ひきこもり」である。
(すべて、一概には言えないとしても。)

そういうような状態において、
外見では、さなぎのごとく
何の変化も見られなかったとしても、
中身はすごい変化を遂げている最中で。
そして、その中身もまた、昆虫のさなぎのごとく
どろどろなのだともすれば、
どれだけ心配になったとしても、外から繭を割って
中身を見ようとしてはいけない。
無事、変態を遂げたときには
おのずと出てくるだろうから、
それまで、見守ってあげられたら。
というふうにもイメージできると思われる。

変わるって、ことばで言うのは簡単だとしても
なかなか大変で、それはやっぱり
「さなぎ」のような期間を
経なければならないからだと思うのね。

なにごとも、一瞬では変われない。

そう考えてみると、昆虫における
「さなぎ」の状態とは、変態するための
ひとつのアイデアなのかもしれないなあ〜。

令和6年7月23日


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