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月に願えば。

新月から次の新月までの毎日、
月に願うと、そのお願いごとは叶う。
というのを聞いて、あるころ、
それを試したみたんだった。

そうするとね、
いつの季節だったか憶えてないけど、
そのあいだ、晴れの日がつづきながら、
月は、毎日、よく見えて、
月に向かいながら、ぼくは願った。

さいしょは、超順調だった。
あまりにも順調過ぎて、これは、このまま、
願いも叶っちゃうじゃん! とか思いつつ、
満月の日を過ぎ、しばらく経ったころから
ちょっと様子が変わってきた。

夜になっても、
月が、見つからない。

そういえば、たしか、えーと、
月の出てくる時間って、
変わるんだったか。そういうのを、
中学の理科の授業で習った気もする。
調べてみれば、月の出る時間って、
毎日、すこしずつ、遅くなっていて、
新月が近づいたころでは、
朝方に出てくる。らしい。

それからは、かなり、大変だった。
夜中まで起きていたり、
朝早くに起きたり、そうして、
月が出ているのを確認し、月に願ったら、
またベッドに戻ったり。
そうこうしながら、毎日、きちんと
月に願えられたかどうかはわからないけど、
どんな願いごとをしたのかも
もう忘れてしまったけれど、そして、
願いが叶ったかどうか知らないけれども、
その一か月は、そんなふうに過ごしていた。

それでわかったのはさ、
月は、毎日、出てくる時間が変わる。
というのを、知識ではなくって、
体感的に知ったことだ。

月に願ったあの日々って、
けっこう印象的だったなあー。
ってえのをね、なんだか、
昨日の名月を眺めながら思い出していたの。

令和3年9月22日


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