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じぶん自身を閉じないために。

このことはまだうまくは言えてないのだけれども、
前回noteでは、外国語とは
日本と外国との「架け橋」であり、また、
価値とは母語で無ければ創造できないこと、
そして、その橋を架けるかのごとく、
つまり、外の世界とつながりながら
じぶん自身を閉じないためには、
外国語を学ぶことは大切である、
というのを申しあげまして。
ぼくとしてはね、この
「じぶん自身を閉じないために。」
という言い方って、じぶんでしるしながら
けっこう、好き、と申しあげますか、
はじめてこのようにことばにできたことが、
なんだかうれしかったんですが。

でも、いわば、
じぶん自身を「閉じない」って、
どういうことなんだろうか?

かつて、日本のメーカーが製造された
携帯電話のことをガラケー、つまり、
「ガラパゴス携帯」と言われていて、ぼくはこの
「ガラパゴス携帯」という呼ばれ方って、
あんまり良くないなあ、とは感じていたんだった。
ガラケーは、日本人のユーザーへと向けられた
日本独自の機能が盛り込まれており、
日本人としては使いやすくもあったけれど、
あまりにも日本独自の機能や仕様や規格だったために、
海外へは進出できず、また、その後米国のAppleが発表した
「iPhone」が発売されると、日本人も
そちらの携帯電話を購入して使うようになってゆく。
つまり、世界的なイノベーションによって
日本独自の「ガラケー」は衰退して行った。
というような経緯において、当時の日本の携帯電話が
日本市場のみに限定されていたからこそ、
日本独自に発展してゆきながら、そして
世界のイノベーションによって衰退する、
というのはわかるのですが、でも、そのことを
「ガラパゴス」もしくは、そう進化してゆくことを
「ガラパゴス化」と揶揄するのは、エクアドルの
「ガラパゴス諸島」に対して失礼なのではないか。

ぼくは訪れたことがないのでくわしく言えないですが、
ガラパゴス諸島では、かつてから
大陸と陸続きになったことがないために、
島で生息する生き物は固有種が多い、と存じます。
その島だけの固有種というのは、つまり、
地球上でその島だけにしか居ないのだから、
それはやはり素晴らしいことであり、
世界的な価値なのだと思う。
かたや、日本の携帯電話もね、
ガラパゴス諸島の生物たちとおなじく、
地球上でこの島にだけにしかない、
という製品だったとしても、でも、
世界的な価値には成り得なかった。
そのような製品のことを、いわば
「ガラパゴス携帯」と呼んでしまうのは、
ガラパゴス諸島で過ごす生物たちも価値がない、つまり、
揶揄するような言い方になってしまうようにも感じるの。

だから、ほんとうは
「ガラパゴス携帯」ではなく、
もしくは、そのような変化のことを
「ガラパゴス化」と呼ぶのではなくって、
もっとちがう言い方のほうが良いんではないか?
とは言ってみてもね、ぼくも
そのべつの総称も思いつかないけれども。

そうとは言えども、たとえば、
固有種及び在来種というのは、
外から入ってくる外来種に対して弱い、
という特徴もあるようにも考えられる。
おそらく、固有種というのは
その生態系でずっと生活されてきたのだから、
生態系のバランスが根強く成り立っている。
そのなかに、これまでまったく居なかった
外来種が入ってくることによって、
このバランスは簡単のごとく壊れてしまう。

ガラパゴス諸島では、外来生物の繁殖及び
密猟や環境汚染等によって問題が生じ、
世界遺産(自然遺産)や、
海洋保護区として登録されているとも聞くのですが。
おそらく、そのようにして保護をしてゆかなければ、
外側からの力によって、破壊されてしまうのだろう、
と考えられる。

ここでね、先述の
「じぶん自身を閉じないために。」
のことに戻るのですが。
たとえば、価値というのは
じぶん自身の内側で考えることによって創造される。
そして、そこで創造された価値を
贈与する、もしくは、交換することによって、
その価値が増幅されてゆく。このときに、たとえば、
じぶんを閉じてしまえば、
贈与及び交換もできないし、かつ、突如訪れる
外来の物事に対処できないふうにもなってしまう。

だからこそ、橋を架ける。

その「橋」というのが、たとえば、
外国の言語であったり、
外国の文化であったり、はたまた、
外国のことだけでなくって、
じぶん自身の内側には無いような
すべての物事との橋を架けること。

ぼくはとくに、性格的に
ひきこもり気質がつよくあるので、
そういうような「橋」のことを
すぐに忘れてしまうたちであるからこそ、
じぶん自身と外の世界とをつなぐかのような
「架け橋」を大事にできたら、と思うのよね。

その橋が、たとえ、
か細く弱い橋だったとしても、
勇気を持って、その橋によって
じぶんを開けたい。

令和5年11月20日

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